PGAツアープロのスィングを観察する - Hip Rotationが欠けていた

スィングについて分析。PGAツアープレーヤのスィングをスローモーションで観察して、推測したことを幾つか書いてみる。

まず、自分との大きな違いは「ダウンスィングを腰の回転 (hip rotation)で開始している」(のではないか) ということだ。

Hip rotationで開始することによって、


「自然に - 意識しないで、体重が右から左に移動する」

「自然に - 意識しないで、頭が残る (ダウンスィングの最初の, ごくわずかの時間は頭が左から右に動く人もいる)」


その他もろもろ、Ben Hoganの言うところの「Chain Reactions」が起きる。

ということで、ダウンスィングの始動をHip Rotationで始めることによって、シャンク症候群などの種々の問題が解決するのではないだろうか。



クラブのフィッティングは重要 - California Golf Technology (Golf Lab)へいってきた

ゴルフを初めてからこれまでスィングをよくするとか、道具にこだわるとかには、特にあまり注意をしておりませんでした。が、現在は明らかにそのスィングが変なせいでプレーができないのであります。


これは困った。原因がはっきりして、回復できるまでプレーはしないし、したくない。


グリーンフィーの無駄だ。


年末の事件から、問題が 1) スィングにあるのか 2) 道具にあるのか、をハッキリさせるために道具を完全にフィッティングしてもらうことにしました。基本的に問題は両方が原因ですが、1) よりも 2)の方が機械的にすぐに改善でき、1)の原因をisolateできるはず。


ということで、このあたりで腕利きのクラブフィッターを探す事にしました。リサーチの結果、ロケーション、コスト、熟練度などを総合的に考慮して、Palo AltoにあるCalifornia Golf Technology (Cal. Golf Tech. またはGolf Lab)に予約をいれました。
URL: http://www.calgolftech.com/


最近、トム・ウィション著の「完璧ゴルフクラブの選び方」(The Search for the Perfect Golf Clubs)を読んで驚愕しました。明らかに、私の道具は体格にあっていない。ドライバーのシャフトは2インチくらいは長く、アイアンのライ角は1-2°はアップライト、シャフトは1/2インチは長い。他の重量や、ロフトなど無数にパラメータはありますが、かなりクリティカルに効いてくるライ角やシャフトの長さについては即刻修正したい。



アイアンは、NikeのSlingshotを使っているのですが、これは特殊な構造のため「このクラブはショップでは調整できない」と言われ続けてきました。ということで、過去2年半はそれを信じて、クラブが合っていないことをなんとなーく感じながら使ってきました。それはもう気持ち悪い。この本を読んでしまった後では。


が、実はSlingshotは調整可能。すくなくとも、このCal Golf Techでは可能。「調整不可能」と思っていたので、アイアンを交換しないといけないかなと、思っていましたがこれは幸運。


フィッティングの結果はいずれ練習して記録しよう。


Cal Golf Techのクラブフィッタの知識、経験、能力はすばらしい。この日はかなり感激した。


残念ながら、フィッティングの途中でシャンク病が激しく出てしまったので完全にはフィッティング作業が完了しなかった - フィッティング料もかなりまけてもらった。故に、アイアンはシャフトの長さ、グリップの変更、ライ角の調整という単純な事項にとどまってしまったのではあるが、私のスィングのウィークポイントを数値的に洗い出すことができ、有益だった。いずれ病気が治り、少しはまともに打てるようになったらきっちり調整してもらうことで合意した。


確実に言えるのは、ゴルフクラブは量販店で無調整で購入してはいけないことだ - "Off-the-rack clubs"を使うのはやめる。それは無意味に自分のゲームを難化させるだけである。少なくとも、あなたのドライバーのシャフトの長さは1 ~ 1/2インチ長過ぎるはずだ (通常のドライバーが45インチ超の長さで売られているとして)。それを適切に調整するだけで、芯に当る確率が信じられない程上がる - スィングを変えないで。

フォトギャラリー

当所好みの写真を紹介します。非商用目的であれば、自由に再利用してください。


Stanford University Golf Course: 12番ホール (Par-4 / 473 yd)
フェアウェー中央に、通称"Tiger Woodsの木"が立ちはだかる名物ホール。
From アメリカ・シリコンバレー的ゴルフ研究所 - シャンク矯正課




Poppy Hills Golf Course: 8番ホール (Par-4)
From アメリカ・シリコンバレー的ゴルフ研究所 - シャンク矯正課



Green Hills Country Club: 18番ホール (Par-4)
From アメリカ・シリコンバレー的ゴルフ研究所 - シャンク矯正課




Summit Pointe Golf Course: 2番ホール (Par-5)
From アメリカ・シリコンバレー的ゴルフ研究所 - シャンク矯正課




Poppy Ridge Golf Course: Chardonnay 9番ホール (Par-5)
From アメリカ・シリコンバレー的ゴルフ研究所 - シャンク矯正課






Spring Hills Golf Course: 8番ホールのティーグラウンドより、クラブハウス、18番ホールを望む
From アメリカ・シリコンバレー的ゴルフ研究所 - シャンク矯正課

当所おすすめのゴルフ本です

中部銀次郎、「もっと深く、もっと楽しく」



中部氏は、「プロより強いアマチュア」と称され、アマチュア界の頂点に君臨した伝説的な存在です。当時のパーシモン+糸巻きボールで飛距離は240ヤード程だったにも関わらず、四半世紀に渡ってハンディキャップ0を維持、日本アマで6回優勝するなど、数々の輝かしい戦績を残されています。代表書「もっと深く、もっと楽しく」では、ゴルフの心に耳を傾け、技術でもなく、道具でもなく、心の在り様を説いています。何度読み返しても学びきれない程のメッセージが込められている逸品。

関連リンク






ジョセフ・ペアレント博士 (Dr. Joe Parent), 「禅ゴルフ」(Zen Golf)



ペアレント博士は、心理学の博士号を保持。ゴルフのメンタル面を詳細に体系的に解説しています。彼はVijay Shinが世界ランキングNo.1になったときの功労者でもあり、他多数のPGAプロのメンタルコーチとして活躍中。

個人的に、この本を読了した直後のラウンドで20打近くスコアが縮まった経験があります。
考え方次第でスコアが10~20は縮まる@Stanford GC - "Zen Golf"再読

読むだけで、あなたのベストスコアを更新できる可能性を秘めています。


ペアレント博士の第2弾、「禅パッティング」(Zen Putting)も良書です。






アーニー・エルス (Ernie Els) "How to Build a Classic Golf Swing"




アーニーエルス著のスィング解説の本です。写真が豊富で説明もわかりやすく、基本として参考にするのによいと思いました。実際シャンク病を治している期間は、随分と参考にさせていただきました。







ジャック・ニクラウス (Jack Nicklaus) 「ゴルフ・マイ・ウェイ」(Golf My Way)




ジャック・ニクラウス著のレッスン書。彼のスィング、スィングの準備、道具、ショートゲームなど全般を網羅。彼によるとショットの正否は、セットアップで90%決まってしまうらしいです。





ベン・ホーガン (Ben Hogan)、「モダン・ゴルフ」(Ben Hogan's Five Lessons: The Modern Fundamentals of Golf)





泣く子も黙るベン・ホーガンのレッスン書。この本については賛否両論分かれるそうですが、スィングを 1) グリップ、2) アドレス、3) バックスィング (the 1st part of the swing)、4) フォワードスィング (the 2nd part of the swing) と分かり易く構造化して解説しています。直感的でわかりやすいと思います。

賛否両論わかれるのは、ホーガン自身はフックに悩んでいたため、フックを矯正するためにスライス・フェードを打つスィングをしているから、だそうです。特にグリップは今で言う、ニュートラルグリップなので、スライスしやすい人がグリップを真似ると更にスライスし易いなどということが発生するとか。

されど、良書です。「スィングの基本」を学習するには最適の一冊でしょう。






(このページは随時更新してゆきます。乞うご期待!)

こんなクラブを使っています

パター: じっちゃんパター2号 (Mizuno製 1960年ごろ製造)

僕の祖父が使っていたとされるパターです。祖父は残念ながら若くして他界されたので、面識がありません。芯に当てないと転がらないパターですが、打感がよく、今まで使った近代兵器よりも直進性が高いです。両面で打てますのでスロープレーの防止にも役に立っています。

ソールには、ミズノの創業者たちのイニシャルが刻印されています。




ウェッジ: 1本
  • Cleveland CG11
  • ロフト: 57° (56°を1°曲げている)
  • バウンス: 9°
  • バランス: D3
  • 重量: 485 g
ライ角は3°フラット、シャフトは1/2インチ短くしてあります。2年半使用していて、いい感じにソールが削れてきました。そろそろ溝が削れ過ぎかも。

最近はウェッジを3, 4本入れるのが主流ですが、私は "Too many choices brings more inconsistency"、選択肢がいろいろ多すぎると返って判断に迷いが生じるので、ウェッジはSWとPWだけ使います。




アイアン: Ben Hogan Apex 03 (3 ~ 9I, PW)


消え行くBen Hoganのアイアンです。思い切って鍛造ブレードアイアンにしました。思ったよりも打ち易く、以前に使っていたNike Slingshotと同じくらい簡単? 5番アイアンのロフトが30°あり、クラシックな設定です。

From アメリカ・シリコンバレー的ゴルフ研究所 - シャンク矯正課

  • 3番アイアン: 22° / 38.75 インチ
  • 4番アイアン: 26° /38.25 インチ
  • 5番アイアン: 30° / 37.75 インチ
  • 6番アイアン: 33° / 37.25インチ
  • 7番アイアン: 37° / 36.75インチ
  • 8番アイアン: 40°/ 36.25インチ
  • 9番アイアン: 44° / 35.75 インチ
  • PW: 48° / 35.75 インチ


ハイブリッド: Cleveland Halo 2i


パターとウェッジの次に重要なハイブリッドです。購入して1.5年も経ってから「固すぎ+重すぎ」なスペックを改善しました。スチールからグラファイトに変えて、振り易くなりました。
  • 重量: 369 g
  • 振動数: 259 cpm
  • 長さ: 40.25 インチ
  • スィングウェイト: D1
  • リアルロフト: 18.5度
  • シャフト: UST IROD S-flex




フェアウェー・ウッド: Titleist 906F2


3番ウッドは、ティーショットの要です。
  • ロフト = 15°
  • 長さ = 42.50インチ
  • 総重量 = 325 g
  • スィングウェイト = D1
  • シャフト = UST, V2-Wood 65g, Regular flex
From アメリカ・シリコンバレー的ゴルフ研究所 - シャンク矯正課




ドライバー: Titleist 975D

僕がゴルフを始めたころは、すでに400ccくらいのドライバーが主流でしたが、何故かクラシックなものが好みです。というわけで、20世紀マツに市場に出回ったTitleist 975Dを使っています。ヘッドはeBayで$29で購入、数ヶ月使用してシャフトをUSTに交換しました。ゴルフを始めて4年経過して始めて、ドライバーがスライスしないで飛ぶようになりました。
  • ロフト = 9.5°
  • 長さ = 44.00インチ
  • 振動数 = 246 cpm
  • 総重量 = 313 g
  • スィングウェイト = D0
  • ヘッド体積 = 260 cc
  • シャフト = UST V2 Wood, Regular-flex

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お気に入りのコースを紹介します

Hunter Ranch Golf Course (Paso Robles, CA)

4041 Highway 46 East, Paso Robles, CA 93446
http://www.hunterranchgolf.com/
  • Blue: 6741ヤード (72.6/136)
  • White: 6292ヤード (70.7/131)
  • Red: 5639ヤード (72.0/128)
  • 平日: $60 / 週末: $79
コースレイアウト、コンディションともに満足できるコースです。全般にフェアウェーは広く、グリーンに近づくにつれて木々やバンカーがターゲットを狭くさせています。11番, 12番, 13番ホールでいかにしてストロークをセーブするかがスコアメイクに影響しそうです。(個人的に、ここは”アーメン・コーナー"と命名) Paso Roblesは人気上昇中の土地ですので、グリーンフィーがじわじわと値上がりしているようです。ワィンを堪能した後に、ぜひ訪れてみてください。

写真: Hunter Ranch, 12番ホール Par-4. ティーグラウンドからの風景






About シャンク矯正課

このサイトの目的は?


ゴルフを愛する人々のための情報共有を目的としております。特に、
  1. シリコンバレーでのゴルフ情報、
  2. 限られた時間と予算でハンディキャップを縮めること
  3. シャンク病の治療
に焦点をあてています。

尚、このサイトはリンクフリーです。
相互リンクも大歓迎です。



サイト設立年月日

2007年10月1日です。



研究スタッフ (約1名)

Sei Higuchi

シャンク矯正課所属。このサイトのメインコンテンツ、撮影、実地実験を担当。

専門は航空宇宙工学。運動神経の低さをメンタルで補う習性あるため、現在はゲームプランの最適化をテーマに研究中。苦手なクラブはドライバー。好きなクラブはパター。USGAハンディキャップインデックスは2桁、研究歴 (ゴルフ歴) は4年くらい。

  • 18ホールベスト: 81 (43 + 38) @ Monarch Bay GC (blue tees, 2008年6月)
  • 9ホールベスト: 39 @ Poppy Ridge (white tees, 2008年10月)
  • 最低スコア: 150くらい? @ San Juan Oaks (2005年3月)

ハンディキャップの変化:
From アメリカ・シリコンバレー的ゴルフ研究所 - シャンク矯正課




サイトを始めたきっかけ: 重度シャンク病の治療


このウェブサイト (blog) をはじめたきっかけは、重度シャンク病の治療経過を記録しておこうと思ったからです。


確か2007年の6月ごろ、ラウンド中に突然サンドウェッジでシャンクしたのを今でも鮮明に覚えています。場所は、Napa ValleyにあるEagle Vines, 5番ホールの70ヤードくらいのアプローチだったはず。なんでもない普通のショットをしたつもりが、文字通り真横にとんでOB。そこから5回連続サンド ウェッジでOB、結局9-ironで転がしてなんとか14打くらいでホールアウトしたかと。それ以来一時的に回復するものの、所詮は焼け石に水。症状は悪 化の一途をたどり、2007年末は文字通りの末期症状でした。ウェッジからロングアイアンまでは全てシャンクショットが打て、ホーゼルのないウッドはシャ フトをボールに当てて飛ばしていました。


「これはあかん」ということで、一念発起、大して関心を抱いていなかったスィング理論や、棒切れでボールを打つ仕組みを少しは学習する気になりまして、基本事 項から徹底的に見直し、同時ちょっとだけ道具についても知識を仕入れて、なんとかまともにコースで楽しめるように治りました。


経験では、シャンクが酷くなってしまった状態では、スィングを再構築するのが遠回りのようで近道かもしれません。別な言葉でいうと、グリップから始めて、アドレス、バックスィング、最後にダウンスィング以降のスィングをチェックするのがよいかと。


当所の発見が、シャンク病に悩む方々にとって少しでもお役に立てば幸いです。



研究テーマ: ゲームプランの最適化デザイン

以下は、当所が購読しているブログ/ポッドキャストで強烈に印象に残っている1フレーズです:

"Every golfer should be able to improve their scores dramatically if and only if they focus on their plans. You wouldn't need to change your swing every year. The national handicap index hasn't been changed since 1970's, which might be because players haven't made sufficient efforts to improve their plans. It should be a way easier to hit the latest Titleist driver than the persimmon wood. Rather, they're paying attention too much on theories and assumptions. Do you have a plan?" (GMS)


意訳すると、

「ゴルファーはだれでも、身の丈にあったゲームプランを持ってゲームに望めば、(今のスィングのままで)劇的にスコアアップすることができるはずです。毎年毎月、ゴルフ雑誌のヒントをもとにスィングを改造しようとしたり、理想のスィングを血眼になって探す必要はありません。

さらに、(アメリカ全体の) 平均ハンディキャップは1970年代から、21世紀の今まで改善されていない。ゴルフクラブやボールは劇的に進化し、コースのコンディションも昔とは比べものにならないくらい改善されているにもかかわらずです。当時のパーシモンドライバーよりも、最新の460ccのTitleistのドライバーを打つ方が遥かに簡単なはずです。

多くのゴルファーは、技術や道具、理屈にとらわれすぎて、結果を重視したゲームプランを立ててプレーしていないのではないでしょうか? もし、プランにもっと焦点をあてたたら、ハンディキャップは飛躍的に下がるでしょう。」


これを聞いた瞬間に、「シャンク病が直ったら、プランにフォーカスした研究をしよう」と思いました。スコアをまとめるには、目標に応じたボールを打つ技術が要求されます。しかし、"Correct expectation"、目標相応の技術力は必要以上に高く世間で言われている気がする。例えば、
  • 100を切るには、ドライバーが200ヤードは打てないといけない。
  • 100を切るには、パーを5個とる必要がある。
  • 90を切るには、4番アイアンが打てないといけない。
  • 80を切るには、パーオンが12個、フェアウェーキープは18ホール中14個はとらないといけない。
どれも必要以上に高すぎるのではないでしょうか? 高すぎる故に、余計な心理的拘束を自分に課してしまって、潜在能力を充分に発揮できないのでは?

目標に応じたスキルレベルを設定でき、プレーヤーの長所に最適化されたゲームプランを設計することを研究テーマにしています。