2013年6月14日金曜日

忍耐と上達

ゴルフには、自分の意思決定と結果について責任がとれることに加えて、辛抱強く忍耐できる力が不可欠であると思う。責任については、以前にも書いたので今回は「忍耐」について書いてみる。

技を磨いて上達するには、目標を定め、計画を立て、結果がすぐに現れなくても、忍耐強く取り組み続けるのが大事だ。僕が見てきた限り、多くの初心者ゴルファーは、なぜか、ドライバーからふりはじめ、彼らを教える経験者たちもドライバーを握らせて練習をさせるのに疑問を抱かないケースをよく見てきた。最初の数回は、まずはゴルフに興味を持つ必要もあるから、ドライバーを試しにふらせるのは合意できる。しかし、実際問題、ドライバーをいきなり打つのは難しい。いくらテクノロジーが進化したとはいえ、基本が確立されていないとどんな道具を使っても打てないだろう。

私はよく「時間はかかるが、動きがシンプルなパッティングから始め、次にチッピングをマスターするのが、遠回りなようで一番近道だ。さらに、ショートゲームがうまくなるので、長い期間ゴルフをより楽しめるようになる可能性も高い。フルスィングは、基本的なチップショットのスィング幅を拡張してゆくもので、簡単なものから習得すると次第に大きなスィングができるようになり、距離のコントロールや球の軌道のコントロールなどの応用も利かせやすい」と勧める。

だが残念ながら、多くの場合は、「今日今すぐに、ドライバーを打って飛ばしたい。早くコースに行きたい。」といった返答が返ってき、ゴルフ雑誌のメッキをはるだけの"Quick Fixes"(すぐに上手くなるプロのワンポイントアドバイス)を真似して、結局は一向に上達しないのである。私も無理強いはできないので、その場限りのアドバイスはするが、長い目で見て上達はしにくいだろうなと思ってしまっている。いずれは、ドライバーはなんとなく打てるようになるが、忍耐とコミットの欠如のために、ラウンドが楽しめるレベルに到達するかは微妙である。そもそも、ドライバーなんぞなくてもコースは回れるし、100や90は切れる。それよりも、基本的なパッティングやチッピングができないで、コースをプレーするのは無理な話である。

例えば、小学生に大学レベルの解析学を理解してもらいたいとする。そういう場合に、いきなり大学レベルの線形代数、微分積分の教科書を引っぱりだしてきて、問題を解かせるだろうか? だれもそうはしないだろう。

まず、数の概念そのものを教えなければならない。それができたら、簡単な四則演算、2桁、3桁の計算、分数、少数、正比例/反比例、文字の扱い、因数分解、関数、などとジョジョに簡単なものから学ぶはずである。それができたら、微分積分に必要な、対数、指数関数、極限、数列をし、微積の初歩、線形代数、それでようやく大学レベルの解析学が学べる。

(スパルタ教育でなくて) 通常の学校教育でここまでたどり着くには、12年くらいの歳月がかかっている。もっと速度を上げて学習できるケースもあるに違いないが、それでも数年の訓練は要するはずだ。少なくとも、「今日、今すぐ、大学の解析学を理解したい」というのはあり得ない願望である。

私にしてみれば、初心者がいきなりドライバーを振り回してゴルフの練習を初めて、コースでプレーができるようになろうとするのは、いきなり大学レベルの解析学を教えようとするような気がしてならない。大学レベルとはいわないでも、小学生に上がったばかりの子に、中学、高校レベルの内容を理解させるようなものだ。

何事も物事に鍛錬し、上達するには、長い訓練と最後まで忍耐強く取り組むの不可欠だ。「急いては事を仕損じる」ということわざにもあるように、急いで成し遂げたいと思うほど、落ちつて冷静に必要な手順やプロセスを着実にこなすべきだと思う。


よくUSオープンなど、メジャーゴルフで優勝すると、「サクセス•シンデレラストーリー、一夜にして一躍有名になったOOO」といった類いの記事を目にする。が、彼らの優勝は一夕一朝で成せたことではない。幼いころからゴルフを始め、ジュニアの大会で結果を残し、大学ゴルフ、PGAの下位ツアーで長い下積みをし、ときにはPGAツアーカードを手にするためにQualyfing School (Q-School)で厳しい争いをし、US Openの出場権をなんとかして獲得し (だがTigerに一度はあっけなく葬り去られ)、ようやく夢の舞台で優勝してゆくのである。第三者にしてみれば、一躍有名だが、当人にしてみれば10年、20年以上の地道な努力と忍耐、専門家の助言、周囲のサポートの上に成り立つものだ。

ゴルフだけでなく、ビジネスに然り、学術研究に然り、芸術に然り、物事を極め、ある程度の結果を導くには、長期間のコミット、計画、そして忍耐が要求される。「長期間」というのは人によって、経験値によって、物事によって当然異なるが、個人的な経験では、経験値ゼロから初めて、ある程度結果がでるには5年の歳月は予想するのが妥当だろう。

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