"セカンドのクラブを決めてから、ティショットを打て!
(中略)
丁寧に行け。セカンドのクラブを最初に決めろ。それを丁寧と言うんだ。"
坂田信弘, "風の大地 [14]", p.147-148, BIG COMICSより引用
最近、「風の大地」というゴルフをテーマにした漫画を読む機会がありました。不可能ではないが、非現実に近い設定が多いながらも、登場人物のゴルフに対する姿勢など、節々にプレーの参考になる台詞があり、読んでいて面白く勉強になります。上は、その一つで、「丁寧にプレーする」とはどういうことか。
「丁寧」の意味を自分なりに解釈して、実際のラウンドに活用してみると、スコアの乱降下がなくなってきました。具体的には、Par-4ホールであればセカンドショットに使うクラブを、Par-5ホールであればサードショットに使うクラブを決めてから、ティーショットに使うクラブと狙う地点を決めます。
文字通りの解釈ですが、これまでろくに使ってきたことがありません。意識的に、アプローチのクラブを決めてプレーするのは、The Ranch Golf ClubやThe Bridges Golf Courseのように、フェアウェーが明らかに分断されていて、フェアウェーのある特定の地点にボールを置いていくしか攻略する方法がないコースでした。そういったコースでは、実はパーオン率 (Green In Regulations, GIRs)が高い。普段比較的簡単なコースで18個のグリーンのうち6個打てば御の字なところが、少なくても8個、多いときは12個もグリーンに乗る。これらのコースでは、最初にアプローチを打つ場所を決めておかないとどうしようもないホールばかりなので、必然的にセカンドのクラブを決めてティーショットを打っていたからかもしれません。
例1: The Course at Wente Vineyards, Par-4, Hole 10
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiil5hEHGRGQTwIgRVm0LBPE_joh2MCslwLFcS_R-MCah_jqzbot9_3SB4-b1H3bOSq_bqGIKdfqZMaNoeKA7gaW4qwhkxkiEA_cQpxFAdjMXHXUb8kfjX7E1lXMKR_USjderVY6T4hxgg/s400/par-4-wente-standard.png)
全長280ヤード程度の短いPar-4。ドライバーやフェアウェーウッドで飛ばせるだけ飛ばせば、残りは数10ヤードの2打目が残るが、ミスしたときはボールが無くなったり、短い距離でもラフからアングルの悪いアプローチを強いられる。もちろん、キャリーで"平均"260-270ヤードを正確に打てる技術があれば、話は全く変わるのだが、95%+のゴルファーにとってそれは無理である。
「丁寧」にプレーするとしたら、どうするか? 上の言葉に従うと、まずセカンドのクラブを決める。このホールは100ヤード圏内は平らなところで打てるところが少ない。自分だったら、50度のピッチングウェッジで110ヤード飛ぶので、セカンドは「ピッチングウェッジ」で打つ事に決める。
すると、自ずとティーショットをどの地点が決まる。ティーショットは、ティーグラウンドから170ヤードのフェアウェー中央、理想的にはちょっと左目の地点を狙う。すると、ティーショットは、風の様子をみながら4番か5番アイアンくらいを打っていったのでちょうどいい。アイアンだけの地味なプレーだけれども、悪くてもボギーに収まりやすく、パーで上がりやすいと思う。
逆に、下のようにティーショットで飛ばせるだけ飛ばして、2打目は出たとこ勝負で攻めるのは「丁寧」なプレーではない。もちろん、2打目をウェッジで40ヤード打つと決めて、230ヤードの距離をコントロールして打てれば「丁寧」であるが。
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例2: Cinnabar Hills Lake Course, Par-4, Hole 3
Cinnabar Hills Lakeの3番ホールは420ヤード程のPar-4。左は池と茂みでウォーターハザードになり、距離もあって結構難度の高いホール (だと思う)。
自分のドライバーの飛距離を無視して、2打目を決めるのは丁寧ではない。いまの技量だったら、最大で230ヤードくらいは方向も安定して期待できるし、2打目は200ヤードをちょっと超えた残り190ヤード前後のフェアウェーのど真ん中から打つと決める。2打目のクラブは、3, 4番アイアンになり、グリーンセンターには届かないかもしれないが、グリーン手前に運ぶのは難しくはなく、寄せワンのパーも期待できる。
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逆に、技量を無視して、2打目を決めると、大たたきに繋がる。
2打目が150ヤード程度だと、グリーンに届かせる確率がぐっと上がる。しかし、その為にはドライバーで270ヤードかっ飛ばす必要がでてくる。さらに、ティーグラウンドからは、左の茂み(ウォーターハザード扱い)を超えて打たねばならず、その茂みを超えてフェアウェーに落とすだけでもキャリーで220ヤードは必要。一般アマチュアに多い200ヤード程度では茂みを超えない。万が一茂みにハマってドロップになると、残り250ヤード超の地点くらいのラフから、3打目を打たなければならない。そんな場所からグリーンを狙うのは不可能。悪くても5であがれるのが、最低でも6は覚悟しなければならなくなる。
しかし、このルートでプレーする人は多く、力んで曲げて左の茂みによくはめている。それよりは、右のフェアウェーバンカーから、打つ方がスコアがよいとおもう。
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届かないPar-4だと思ったら、Par-5としてプレーするのも丁寧と言えると思う。実際に多くのPar-4をレギュレーション通りに届かせようとすると、無理が生じやすい。この場合は、3打目のクラブを決めて、ティーショットを打つことになる。同じホールを例にするなら、
- 3打目: サンドウェッジかピッチングウェッジで70ヤード (どちらが得意かによる)
- 2打目: 5番ウッドで170ヤード
- 1打目: 3番ウッドで190ヤード
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例3: Stanford University Golf Course, Par-5, Hole 1
一般にPar-5は非常にパーが取りやすいホール。3回いいショットを打つ必要はあるものの、実はそれほど長い距離を打たなくてもいい。3打目は、50ヤード前後の中途半端な距離よりは、100-130ヤード程度をフルショットしたい。
すると、3打目を120ヤードから8番アイアンで打つとして、2, 1打目に使うクラブは、:
- 2打目: 5番アイアンの軽打で150ヤード
- 1打目: 3番ウッドで210ヤード、フェアウェーの真ん中
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgjPocb3DDkVgi6Bp1myeOxb7o87SVwpuLcEHno3do4hhDwaKNtSMRxO4X8Y_ael1BUmGj0Y3-nhyphenhyphencchwpzhyphenhyphen7Veu0Bp4xjdp5ni1De3SWgw4Jmmr2-NDrucOp1Kz5Z_nnhnI6eWXVlIAk/s400/par-5-stanford.png)
まとめ
2打目 (Par-5なら、3打目) に使うクラブを決めてからプレーすると、文字通り丁寧なプレーができる。さらに、どこにどう打つかという意図がより明確になるので、各ショットに雑念が混じりにくく、思い切ったスィングができると思う。