ゴルフで常に80を切るには (パート 2)

Spyglass Hill, Hole #6, Par-4

昨年に書いた「ゴルフで常に80を切るには?」 (2017年12月) の続きです。

今回は、最近作ったダッシュボードのデータも加えて考察してみます。

ここで言う 80 を切るというのは、コンスタントに 80 を切る、逆に言えば「80 以上は叩かない」ためには、技術面をどのように磨けばよいのかということです。いつの日かラウンド後に「今日は 80 は叩かなくて助かった」と言えるようになりたいものです。。。


まずは過去の統計データから、GIR (パーオンの数) と Scramble (パーセーブの数) が、70, 80, 90 台のスコアとどのような関係があるかを表した図です。こちらは SVM (Support Vector Machine) で classification しています。
70 台のスコアを打つには、GIR + Scramble  の合計が 11 ホール以上である必要があります。加えて、
  • GIR 時に 3 パットは無く、または平均パット数が 2 以下、
  • ダボより悪いスコア (DBW) はゼロでなくてはなりません。
この条件はかなり難しい。グリーンを捉えると、ホールまではかなり距離が残る (30 - 40 フィート残る) ことは多いし、なかなかダボ無しのラウンドも皆無に等しい。

そうすると、GIR + Scramble の合計は 12 ホール以上は欲しい。
安定するには 13, 14 に持っていきたい。上の classification の結果からも、11 は厳しく、12 でギリギリのラインなのがわかります。過去の例では、11 の場合もありますが、12 や 13 が大半です。


なので GIR = 8 (8 / 18 = 44%) とすると、Scramble = 4/10 = 40% セーブが目安になります。この条件になると、3 パットや、ダボが 1 ホールあっても79にはなりそうです。また運良くバーディーがとれると、さらにチャンスが増えます。

これからの目標としては、GIR = 9 (50% のパーオン率) を目指したいと思います。そうすると、3 / 9 = 33% のパーセーブ率でよいので、グリーンを外した時の労力/プレッシャーが緩和されます。


50%のパーオン率


50% のパーオン率を達成するには、数値的にどうすればよいのか。そこで、先日作った「アプローチの残り距離と、GIRの関係」のグラフを見てみます。こちらは 2018 年の 4 月~ 8 月の統計になります。このグラフは Par-3, 4, 5 全てのホールを含みます。



グラフからは、GIR が 50% を超えるのは、残り距離が 150 ヤード以内と言えます。

160-170 ヤードの範囲が落ち込んでいたり、100-120 ヤードも思ったよりも低いのが気になりますが、今はおいておきます。前者については 5 番ハイブリッドの導入で改善されると予想しています。


Par-3


Par-3 については、残り距離(ホールの長さ)を選ぶことはできないのですが、幸いにも 2018 年の Par-3 での GIR は 60.92% です。

そうすると、Par-4, Par-5 では、それぞれ 2 打目、3 打目を 150 ヤード圏内へ、ティーショットを運んでやる必要があります。


Par-5


Par-5 なら、530 ヤード程度の長さなら、2 回で 380 ヤード飛ばす。そうすると、ドライバーだけでなく、3-wood ももっと積極的に使って行って、アプローチの打ちやすさを優先するべきかなぁと思いました。

↓のグラフから、Par-5 でティーショットにドライバーを使った場合と、3-wood の場合、平均スコア、GIR の差が歴然としています。


もちろんホールの設計も影響しますが、どうせ 2 オンをすることはほぼないので、(苦手な) ドライバーは使用を控えるのもありかと。

また、「200ヤード以上残ったときのレイアップの方法について」では、残り距離とホールアウト打数を可視化しましたが、100ヤード圏内であれば平均 3 打であがれることがわかりました。無理のない状況であれば、Par-5 の 3 打目は 70 - 100 ヤード圏内、58, 54, 50, PW で打てる範囲に運んでいけたらいいですね。
https://breaking70.blogspot.com/2018/08/200.html


問題は Par-4


問題は Par-4 です。400 ヤードのホールの場合、ドライバーで 250 ヤード必要になります。いまの技術では、フェアウェーが硬い+追い風+打ち下ろしでない限り 250 ヤードを飛ぶことはありません。そこそこいい当たりをしてランを含めて 230 ヤードがせいぜい。

そうすると、物理的に 50% GIR を達成するのが無理になるので、Par-4 が長いコースではやはり 80 をコンスタントに切るのは難しい。バーディーが出ると楽にはなりますが、狙ってとれたら苦労しません。。。

ティーショットが 230  ヤードだと、ホールの長さが 380 ヤードくらいだとなんとかなるかもです。

一つの技術的目標として、やはり飛距離を 20 ヤードくらい伸ばすと、ゴルフが楽になるのは間違いない。また、ティーショットが、フェアウェー、ラフを問わずグリーンを狙える状況に安定して飛んでいることも前提になります。


実際プロでも、Par-4 の平均スコアは、3.9 台にあればトップクラスで、やはりボギーが先行し、4.0 は超えてしまいます。
→ PGA: https://www.pgatour.com/stats/stat.143.html



Par-4 の要求を緩和する策として、Par-3, Par-5 で稼ぐ手があります。

実際プロの試合などでも、Par-3, 4 は平均的にパーにし、Par-5 でバーディーを取りに行くのが常套手段です。

Par-3, 5 の GIR が 60% で、18 ホール中それぞれ 4 ホールづつ備えられているとすると、Par-4 のホールは 10 ホールありますから、GIR = 9 グリーンを達成するには、

9 GIR - (4 + 4) * 60% = 4.2 GIR → 4.2 / 10 = 42%

になります。42% GIR の範囲は、上のアプローチとの統計では、グリーンから 160 ヤード圏内になりますから、ティーショットは 10 ヤード短くてもよいといえます。


今年のこれまでの統計では、ちょうど 3 番ハイブリッド (23度ロフト) を使う 170-180 ヤード圏では 57% GIR という 7 番アイアン並によい数字になっています。

近々導入する 5 番ハイブリッド (27度ロフト) が目論見通りのパフォーマンスであれば、仮に 220 ヤードのティーショットであっても、400 ヤードの Par-4 のアプローチには 180 ヤードが残る計算になります。


そうすると、自分の力量の限界まで飛ばさなくても、「そこそこの当たりで、多少左右にぶれてもいいから、ゆったり振っていこう」と、心理的な余裕をもってプレーができます。


結論


結論として、コンスタントに 80 を切る目標値は:
  • GIR = 9 ホール (50%)
  • Scramble = 3 ホール (33%)
  • DBW は 1 回まで。
  • パーオンしたときは平均 2 パット以下が必須。
  • バーディーを取った回数だけ、3 パットしてよい。
  • Par-4 の 2 打目、Par-5 の 3 打目が、グリーン(ピン)から 150 ヤード圏内に入るようにボールを運ぶ。

努力目標は:
  • ドライバーの飛距離を 240 ヤードにしたい。芯で打ちたい。
  • Par-4 は長い距離のアプローチ、150 - 180 ヤードが残ることは多いので、この距離の精度もあげ、GIR > 50% 圏内を拡大する。
  • 打ちミスに強いクラブの使用も検討する。
  • 100 - 120 ヤードの PW, 9I, 8I 程度の比較的やさしい部分での取りこぼしを削減する。

 結局のところ、
  • ティーショットの正確性と飛距離を伸ばすためにドライバーを練習し、
  • 精度の低いショートアイアンを打ち込んで、
  • たまにロングアイアンを打ち込んで、
  • 33% のパーセーブのために、グリーン周り 25 ヤード圏内も練習し、
  • 3 パットを防ぐために、パッティングの距離感を養う、
ということで、練習するところだらけです。





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