ゴルフとマネージメント(3): 責任をとる


ゴルフのスコアをまとめるには、責任がとれることが重要だと思う。

つまり、自分が打ったショットがナイスショットであれ、ミスショットであれ、結果に正直に対応するのだ。逆に、起こり得る結果について責任が取れないようなショットをするくらいなら、しない方がいい。かえってスコアが悪くなる。


例えば、(ドライバーが追い風でぶっ飛んで) Par-5の残りが210ヤード、グリーンの左は全て池、旗はグリーン中央という状況を考える。

ランも含めて210ヤードを自信を持って打てるなら、どんどん打っていく。もしも左に引っ掛けて池ポチャして、池の淵からドロップした4打目を寄せてパーを取る自信があれば、どんどん勇敢に挑戦すべき。「寄せに失敗してもボギーならいいや」と割り切れるなら、狙っていくべきところ。これは、あらかじめ起こりうる結果を受け入れて、責任をとる準備ができている心の状態なので、いいショットができる確率も高い。


自分で納得できる結果を受け入れられるなら、どんどん攻めるべき。
あまり好ましくない結果でも、ボールを打つ前に予め受け入れておけば、意外とのびのびとスィングができる。



(肝心の飛球線が薄くてすみません: 真っすぐ飛んでいる線と、左に曲がっている線の2本あります。)





逆に、

  • 「ダブルボギーにはしたくない」
  • 「池ポチャした後は、パーやボギーにできる自信があんましない」
  • 「どうせ2打目がグリーンの淵まで飛んでも4つであがるのは無理だな」

といった、失敗を受け入れる準備ができないときは、2オン以外のルートで自信をもって実行できるショットをする。

2オンしないのであれば、210ヤードを2回で乗せるルートに徹する。例えば、

  • 7番で打って、次はサンドウェッジのフルショット
  • ピッチングウェッジのフルショットを2回

とか。




万が一3打目を外しても、短いクラブなのでそんなに変な地点にはいきにくい。ゴルフは確率のゲームなので、210ヤードを2打で乗せるルートをとってもダブルボギーになることはもちろんありえる。逆に、3打目がピンに絡んでバーディーのチャンスになることもある。

付け加えて言うと、ウェッジで30-50ヤードを打つのが苦手なプレーヤーは、残り210ヤードの残り距離だけで160-180ヤード前後打つクラブをもち、苦手な距離をわざわざ残すくらいなら、フルショットを2回打てるクラブを選択した方がいいかもしれない。ピンまでの残り距離は1つの意思決定要因に過ぎない。クラブを選択するには、ライ、風向き、次打の打ち易さ、自分の得意距離、得意クラブ、苦手クラブ、その日の調子などなどを考慮して、成功の確率が最も高い手を打つべき。



自分が選択したショットの起こりうる結果を受け入れられるかどうか、を吟味して次の手を打つ。

結果を受け入れられて、尚かつミスショットの場合の責任が取れる (= リカバリーショットが打てる) ならどんどんそのルートで攻める。

そうでなければ、もっと安全な、易しく、怪我をしにくいルートを考える。


見た目に派手なゴルフはできなくなるかもしれないが、スコアはぐっとまとまり、ハンディキャップも縮むと思う。

ゴルフとマネージメント(2): もったいない!


「いまのはもったいない!」
「あ、またやっちゃったよ。もったいない」
「もったいない」

よくグリーン上で発せられる言葉である。

省略せずに言うならば、「あーあー、1メートルの簡単なパットを外してしまった、もったいない」といったところか。

しかし果たして本当に「もったいない」のだろうか?



「もったいない」は、確実にできたはずのものが得られるはずだったのに、得られなかったものについて言うべきだ。


あくまで個人的意見ではあるが、100%の確率で成功して打てるショットはゴルフにはほとんどあり得ない。わずか10センチのパットを外すことも見た事があるし、ましてや1メートルのパットを狙って100%決められるのは一般アマチュアには不可能。

ゆえに、仮に確実にできるはずのものをミスしてしまって「もったいない」とは言えるかもしれないが、1メートルのパットなどをミスしたときに「もったえない」などと軽はずみには言えないのではないか?

そもそも1メートル程度 (3-4フィートの長さ) のパットは簡単ではない。曲がりや速さによっては、10球連続で決めることも非常に困難だ。50センチのパットでもラインによっては、けっこう神経つかわないと大変なこともある。1メートルのパットは、見た目はチャンスにみえるが、特にアマチュアゴルフにとっては難しいし、外しても全く恥ずかしいことではないと思う。プロの試合でも必ずしも簡単に打ってはいないと思し、100%成功するとは限らない。

そもそも「もったいない」と言ってしまうと、パットを外してしまった相手に対して失礼だし、負の流れをもたらしかねない。(加えてエチケット違反だと思う)


見かけは易しそうだが、成功すればその日のスコアが大きく違うのが1メートルのパット。

外してしまえば、惜しくて悔しいのだが、外れてもおかしくない。

だからこそ、1メートル程度のパットは、一番練習量が多くてもいいくらいだと思う。



自分ならこういう状況は「もったいない」というかもしれない。

全長290ヤードの、高低差のないPar-4のホールで、260ヤードのドライブを放って、フェアウェーを捉える。ピンはグリーン中央。

2打目のウェッジショットをトップしてグリーン奥まで飛ばしてしまい、3オン、さらに3パットのダブルボギーにしてしまった、、、

としたら、「もったいない」だろう。

こういう状況はやはり4つのパーで上がりたい。

そのためには100ヤードないし、50ヤード圏内のショートゲームの練習は欠かせない。