クラブは縦に振る

★ 追記: 2018年8月 ★
約 4 年ぶりに読み返してみました。今の時点で、自分で自分の書いたページを読み返した感想では、いくら縦に振ろうと腕を動かしても、キャスティングや、"Over the top" なスィングになり、決してプロのようなクラブシャフトが切り返しで "shallow out" するスィングはできません。ましてや再現性の高いスィングをするのは無理です。

スィングの改造 (途中経過 2) - 基本からやり直しhttps://breaking70.blogspot.com/2016/03/2.html

結果として「縦に振れているスィング」にするには、スィングの順番を正しく行うことが不可欠だと思います。スィングの成否は、グリップ、アドレス、バックスィングを開始した時点くらいでほぼ決まるでしょう。切り返し後に、意識的に腕や体の部位を動かそうとすると、動かさなくてはならのは、どこかに補償動作が発生し、調子がいい日はスコアがいいが、歯車が狂った日はとんでもなくスコアが悪くなるでしょう。


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かなり前にシャンクを必死に治そうとしていたころに、スィング自体を根本的に直していました。そのときに、イマイチよくわからないまま放置していたのが、どのようにスィングのトップから切り返したらよいのか、ということです。

シャンクを直して、80を切るようになってからも、実はよくわからないまま放置していました。というか、解明の糸口がイマイチわからないままでした。 

仕事をするようになってゴルフをプレーする機会がめっきりへり、スコアがまるっきり進歩しないまま5年くらいたちました。が、おかげで頻繁にスィングの再現性をよくする機会が増え、何がどうなったら、良いボールが打てるのか、悪いミスに繋がるのかがじょじょに分かってきました。

さらに、何がきっかけかは忘れてしまいましたが、トップからの切り返しはどのようであるべきなのか、ようやく一応の自分なりの答えがでたように思います。今回は切り返しの直後についての自分なりの発見と理解です。


一言でいうと、切り返し後はクラブを縦に振る、のがキーです。縦とは、地球の重力ベクトルと平行の意味です。

縦に振るには、左腕が真下に下がり、右ひじが右腰にこすれます。そのときに同時に(自然と)体重が左足側に移動します。右ひじが右腰に擦れると同時に、体重も移動します。ここはこの2つの動作が同時に発生します。





↑アドレス時、スィングを始動させる直前です。
  • 緑:左腕の方向、(および地球の重力ベクトルの方向)
  • 赤:背骨(spine)
  • 黄:トップ時に、腕とクラブが重なる線





↑スィングを始動した直後です。



↑スィングのトップです。黄色い線上に右手とクラブが重なります。赤と黄の線が直行するかどうかは、個人の体格によって異なるかもしれません。

この後にスィングを切り返します。


一番重要なポイントです。切り返し後は、左腕が緑の線に重なって、平行に落ちてきます。振り上げたクラブを、シンプルに縦に振り下ろしている様子がよくわかります。

自分はこの左腕のラインが、むしろ黄色の線に近づくように、平行になるようなイメージでスィングをしてきました。が、そうすると、スィングスピードが出ないのと、ひっかけたり、ろくな球が打てません。



↑インパクト直前の状態です。左腕がしっかり緑の線の上にのっています。




↑インパクト時の様子。




この写真はショートアイアンのスィングなので、ドライバーなど長いクラブでは若干緑の線が斜めになるかもしれません。が、基本的にどのクラブ、どのスィングでも(左腕を)縦に振るのが切り返し後のポイントかなと思えてきました。




2008年当時、100発100中シャンクしかしないころのスィングの写真がありました。ドライバーのスィングなので、上の絵の緑の線よりも斜めになって然りですが、それでもこれはあまりにも手と腕が前に出過ぎですね。上の絵の中の黄色の線とほぼ平行に近い。




切り返し後に、左腕のリードで、クラブを縦に振ることができれば、あとは自然にいい球が打てるようになりました。この発見がロングゲームの改善に繋がってきていると思います。

好スコアを出すには、ロングゲームの基盤が要る

先日の37の簡単な分析表です。これまで、38, 39が出ることはたまにありましたが、37は一度も出る感じがしませんでした。たまたまよい数字が出ただけかもしれませんが、これからのよい指標になるかと思った次第です。


  • GIR = 5ホール (55%)
  • Scramble = 3 / 4 (75%)
  • 1パット4回 
  • 3パット1回
  • ドライバーの飛距離: {220, 220, 250, 200, 230, 230, 260} = 平均 230
  • フェアウェー・キープ = 4 / 7ホール (57%)

理由はなんといっても、ロングゲームの改善にあると思います。ドライバーがある程度の距離と正確性で、2打目が非常に打ち易い地点に、ボールを打てたのが大きかったです。グリーンを外しても、寄せ易い場所にボールが外れていました。

また、Par-5が、特に慣れたコースでは、実質長いPar-4としてプレーできるようになってきたように思います。グリーンに乗らなくてもよいので、グリーン周りの寄せ易い場所や、バンカーに放り込んでおけば、寄せワンを狙って運がよければバーディーがとれます。

単純に数字の上では、ショートゲームが特によいゲーム内容でした。が、それを可能にするのはやはりロングゲームではないかと思います。

以前は、ショートゲームが上手ければ、なんとかなると思っていました。が、ショートゲームでカバーする、つまり寄せワンばかりでパーを狙うのは、かなり無理があるように思います。やはり、2パットは易しいですが、1パットは難しい。特に、1メートル以上距離がカップから離れると、狙って1パットはほぼ運次第です。。。

パーシモン ドライバー - Louisville Golf 50's Driver

かねてから気になっていたパーシモン製のドライバーを新品で入手しました。製造年月日は2014年6月で、倉庫に眠っていたものでもなく、注文して新規に製造されたクラブです。

製造者はKentucky州にあるLouisville Golfというゴルフクラブメーカーです。パーシモンだけでなく、ヒッコリークラブも製造している強者。

なぜ今時パーシモンなのかというと、理由は2つあります:
1) 練習器具として、ボールを打つ練習をする
2) パーシモンとメタルの違いを体感する
ことが目的です。

パーシモンクラブは難しい、とよく耳にします。が、そもそも打ったこともないのに、難しいとか易しいとかの評価を下すべきではありません。もしくは、物理的な特性を把握して定性的な評価をせめてでもするべきです。

でき上がったスペック:

  • ロフト: 11度
  • 総重量: 371 g 
  • 全長: 43.0 インチ
  • スィングウェイト: D4
  • シャフト: True Temper TT Lite、R-flex (推定113gの重量)
  • ヘッド体積: 190 cc
言って見れば、スチールシャフトの入ったちょっと重めのストロング3番ウッドといったクラブです。メタルドライバーとの比較をするならば、グラファイトシャフトで注文すべきだったかもしれないです。


普段使う Titleist 975D (260cc, 44インチ, 312g, D1, 9.5度) と並べたところです。



打ってみると独特の打感がたまらないですね。

シャフトが短いためか、クラブフェースの中心部分に当たり易く、いい感じのドローボールが打てます。



球の打ち出し角度は、ロフト9.5度のメタルよりも、明らかに低く、よく転がりそうな打球です。


Titleist 975Dは総重量が312gとかなり軽いので、最大飛距離を比べるにはオレンジと林檎をくらべるようなものかもしれません。どうしてもヘッドスピードが上がらないので平均飛距離では競えないですね。


打ちミスをすると、途端に3番アイアン程度の距離しか飛ばなくなります。が、曲がり幅はメタルよりも小さいように感じました。



まだ1ヶ月程ですが、パーシモンで練習したメリットです:

  1. メタルドライバーを振るのがものすごく簡単に感じる。振れば自動的に飛ぶような感じがする。(クラブが軽く感じます)
  2. スィングが改善し、平均飛距離が伸びます。100回以上回ったコースで、セカンドのアイアンの番手が2~3番手小さくなりました。Par-5も2打でグリーン周辺まで届く回数が増えました。



練習場で体感した違いです:

  1. パーシモンの打感は、メタルよりも好きです。ボールがクラブフェースに張り付くような感じがいいです。
  2. 多分シャフトの短さと重さが大きく影響しているので、単純なパーシモン vs メタルの比較ではないですが、パーシモンの方がクラブフェースの中心に当て易いです。また、炎天下で30球も打つと結構疲れます。
  3. パーシモンは打ちミスに弱いです。恐らく2cmも芯から外れると飛距離が20-30%減りそうです。だからこそ練習器具なのですが。。。



で、やはり実際のコースで数ラウンド打ち比べて、スコアにどう影響するか統計情報もとらねばならないですね。。。

開眼? - 9ホールで37 (1オーバー)





久しぶりに夜明け前に9ホールをプレーした (Back-9)。

ゴルフで「開眼」という言葉が最も胡散臭く聞こえるのだが、僕も「開眼」してきたかもしれない。初めて9ホールで37、1オーバーで回った。(16番でダブルボギー、最終18番ホールでバーディー) プレー時間は、歩いて1時間10分で自己最速記録も更新。


  • GIR = 55% (5 / 9)
  • Scramble = 75% (3 / 4)
  • 15パット + 22ショット = 37
  • ハンディキャップ・インデックス: (37 - 35.4) * 113/117 = 1.54


自己記録が出せたのは、ロングゲームの改善が大きい。要所で3フィートくらいのパターがしっかり入ったのも部分的に貢献するが、ティーショット、セカンドショットが前よりも非常に良くなってきたと思う。(道具は以前のまま変わりない。)


  • ティーショットで、2打目が短いクラブで打ち易い場所に打てた。
  • セカンドショットに使ったのは、PW, 9I, 7I, 5I。2I, 3I, 4Iは出番がなかった。(Par-5 2打目の3Wは除く。)
  • 集中力がよく続いたような気がする: 体内の水分が1%減ると脱水症状が現れ始めるそうだ。1打毎に1口水を呑むくらいがちょうどよいらしい。


ゴルフは「飛ばして」+「入れて」ナンぼのゲームかと思う。「入れ」られないとスコアにならないが、「飛ば」ないとプレーそのものが成立しない。今日の感覚では、平均230ヤードも飛べば、レギュラーティーからならパープレーができそうな感じがした。9ホールで36, 35という数字は、ちょっとのミスが許されなくなるので、37を出す10倍の労力が必要そうな気がする。






Par-4ホールで1オン達成

初めてPar-4ホール (320ヤード) をドライバーで1オンしました。

この日は快晴で、クラブ1番手分くらいの追い風が吹いている条件で、クラブの芯で打てて完璧でした。全くの運と偶然が重なった結果ですが、(一応) 狙ってグリーンに乗ったので、ホールインワンよりも嬉しいですね。

Google Earthで計測したら飛距離は約296ヤードでした。僕のドライバーは超真っ芯でとらえられて250ヤードが目安で、1ラウンドで1回出ればよい方です。追い風にのせるために、高めに打ち出し角度で打ち、落下地点の傾斜を利用して上手くグリーンまで転がったのだと推測されます。




グリーンに乗っているところの写真:



ドライバーは相変わらず Titleist 975D (体積 260cc、シャフト長さ44インチ、Rフレックス) を使っています。他のドライバーに変える気がなかなかしません。見た目の形といい、シンプルな刻印といい、無駄なごてごてした凹凸もなくすっきりした表面形状など、まさに名器です。ボールは5ラウンド以上は使い古したPro V1でした。新品ボールに交換していたら、もう5ヤードは飛んだかもですね。



幸いにも旗がグリーンの前側にあり、ホールまでは歩測で13歩、32.5フィート。自分の標準ストロークの「W-Wストローク」で丁度打てる距離で、1フィートほど外ずれたものの、いままで一番楽にバーディーをとれました。

やはりロングゲームの良し悪しがスコアに大きく影響します。

書籍 “Every shot counts” および、データ解析から得た現時点でのスコアを縮める方法

ロングゲームが重要

安定してよいスコアを出すには、グリーンにレギュレーション通りにボールを乗せられるように、アイアンショットの精度を上げることが必要不可欠。プロのようにピンに絡む必要は全くないが、グリーンのどこかに乗る、またはグリーンのカラーに乗る確率を高めなくてはならない。つまり、ロングゲームの力がものをいう。

そのためには、ボールを打ち易く、かつグリーンにできるだけ近くティーショットを打つことが前提条件になる。ティーショットをミスした場合は、グリーンから遠かったり、ライが悪かったり、グリーンを狙う難易度があがってします。ティーショットでOBや池、林に頻繁に打ち込むことが多いプレーヤーは、いくらショートゲームやパッティングが上手でもスコアにならない。ティーショットは、次のアイアンショットのためのレイアップ(刻み) である。ティーショットは、次打がやさしく打てる場所にぶっ飛ばすのが大事だ。

グリーンに乗ったら、2パットであがることを考える。30フィート (10ヤード)以上ホールから離れている場合は、3パットもやむを得ない。PGAプロでも、30フィートの距離では3パットは珍しくない。

ショートゲームも勿論大事なのだが、パットがぼこぼこ入るときとか、アプローチが面白いようにホールに寄るときというのは、何かしら運が作用し、ロングゲームの下手さ (OB, ロストボール, 林の打ち込み) を毎ラウンドカバーするには期待できない。やはり「安定して」(毎ラウンド) よいスコアを出すには、ロングゲームでほどほどに上手くボールを打てることが不可欠であるというのが今の結論である (もう少し早く気がつくべきだった)。ボールは飛べば最高だが、曲がりが少ないボールが打てることが重要だと思う。ボールは曲がらなければ、その分飛距離もでる。飛距離自体は、運動神経や筋力、体格に大きく左右されてしまうから、同伴者と飛ばしを競い合っても意味は無い。レギュラーティーのプレーでは、平均して220ヤードも飛べば十分だろうし、2打で届かないPar-4ホールはほとんどないはずであるし、追い風の場合などは短いPar-5を2オンさせることも可能である。

余談ながら、「2オンできる」と思ったら、積極的に狙うべきである。仮にグリーンにのらなくても、グリーン周りに届くだけでも、バーディーでスコアを稼げるチャンスがぐっとあがる。統計的には、フルショットの距離にレイアップ(刻む)するよりも、グリーンに近い程スコアはよくなる。


ショートゲームもデジタルに行う

ショートゲームは、ロングゲームと同じく、(1) どのクラブで、(2) どんな打ち方をすると、(3) 何ヤード空中をキャリーして、(4) 何ヤード転がるか、を把握できていると、クラブや打ち方の選択に迷いが生じにくいし、成功率が高い。

ロングゲームでは、「5番アイアンのフルショットは170ヤード飛んで、落下地点近くに止まる」とか、「58°のサンドウェッジのフルショットは85ヤード飛ぶ」などとちょっとゴルフをしている人ならバッグに入っているクラブのフルショットの距離は把握しているはずである。

グリーン周りで使うショートゲームでも、
「サンドウェッジのハーフショットでは、平均して35ヤードキャリーして、10ヤード転がる」
「7番アイアンのチップショットは、3ヤード飛んで、20ヤード転がる」
などの自分の特性を把握していれば、ショートゲームで極端にダフったり、トップしたり、極端にショートやオーバーするなどのミスが減るはずである。なぜなら、ダフるやショートなどといったミスは、打つ技量よりも「このクラブで本当に届くのか?」「飛びすぎる気がするからちょっと緩めて打とう」などと、自分が選んだクラブと打ち方にコミットできていないことに起因する。また、自分の思った通りに打ったつもりでも、距離が全然おかしいのはそもそも、自分の「特性」を把握していないからでもある。

故に、ショートゲームでも、(1) どのクラブで、(2) どんな打ち方をすると、(3) 何ヤード空中をキャリーして、(4) 何ヤード転がるかを知っておくだけでスコアがよくなるはずである。


### 追記 ###
「スコアを縮める」ことと「クラブの試合や、週末のコンペで勝つ」ことは違う全く意味です。

スコアを縮めるのはあくまでも、自分のハンディキャップを縮めて、1打でもよいスコアでプレーすること。そのためには、パターやショートゲームの調子に左右されずに、平均的によいスコアを出さなくてはなりません。パターの調子が最高によいときだけ、100が切れる、90が切れる、80が切れるといった運に頼るのではありません。少々3パットが目立つとか、アプローチが寄りにくい日でも、90後半、80後半、70後半の数字を出すようにするというのが「スコアを縮める」意味です。そのためには、ティーショットである程度飛距離を稼いで、アイアンショットがグリーンまたはカラーに乗る回数が増えなければなりません。つまりロングゲームの上達が不可欠です。


試合やコンペで勝つには、上記ロングゲームの土台の上に成り立つものです。ここで初めて、パターの上手さと調子の良さが効いてきます。やはり試合やコンペで勝つときは、パターがよく入る。「パッティング・コンテスト」に参加できるかどうかが、優勝に依存する。このパッティング・コンテストに参加するには、いいティーショットと切れのあるアイアンショットを打っているのが参加条件。単にパターがよいから、スコアがよくて勝てるのではなく、よいパッティングをするために、よいロングゲーム力が不可欠なのである。Tiger Woodsがプロ通算の勝率が25%以上 (4試合に1回以上優勝する) なのは、パターが異様に上手い (勿論平均よりは遥かに卓越している) のではなく、切れのあるアイアンショットで、ピンに絡むチャンスを多く作るからである。


よって、以前のデータ解析ででた結論とは真逆だが、スコアを縮めるには、時間はかかるがロングゲーム力を磨くのが条件だと思うようになった。パターについては、1パットが増えれば申し分ないが、今のレベルでは、32~34パットで80を切れるようにするロングゲーム力が必要だと思う。






ショートゲームの重要性は過大評価である説 - ゴルフは飛ばして入れてナンボ


Mark Broadie著 “Every Shot Counts.” (iBooks. https://itun.es/us/_-ZxL.l) を読んでいます。どのページも重要なことばかりで、全てのページにメモと蛍光ペンが入れないといけないくらい読み応えがあり、何度も読み返しが必要です。本の内容は、統計的な解説が多いので数字が好きな人にはぴったりです。

重要な点を細かくあげていくとキリが無いのですが、一番の発見は、「スコアを伸ばすには、ロングゲームの改善、とりわけ飛距離を伸ばすのが重要」ということです。昨年末のデータ分析では、ショートゲームの改善をしない限り上達はないと結論しましたが、そもそもグリーン周りの打数が増えるのは、ロングゲームがお粗末であることにも起因しています。ある意味間違った結論をしていました。

ショートゲームは、よいスコアを出したり、プロの試合だと勝敗を決める原因 (パターが勝因の35%に貢献するとされる)になります。が、平均してよいスコアを出し、そもそもショートゲームをスコアに反映させるには、よいロングゲームが不可欠。スコアメイクには、3分の2がロングゲーム、残り3分の1がショートゲームによるものだとか。

"If you can’t putt you can’t score, but if you can’t drive you can’t play." という格言にもあるように、スコアの良し悪しの前に、ティーショットが打てないとゲームになりません。


1. ロングゲームが、スコアの良し悪しの3分の2を決める

PGAトップ40の場合、28%ドライバー、40%アプローチ、15%パット、17%ショートゲームである。28%と40%を足すと68%、約3分の2になる。アマチュアでも、スコアが80台と90台、90台と100台、100台と110台の差は、ロングゲームが3分の2の原因になる。

因に、「アプローチ」とは、グリーン周りの短いショットではなく、Par-4やPar-5での2打目など、100-250ヤード離れた地点から打つショットのことである。グリーン周りの”アプローチ”ショットは、ショートゲームに含まれる。

パットは重要な要素の一つであるが、ティーショットが打てないと、そもそもゲームが成り立たない。

“Many pro golfers recognize the primacy of the long game. Rory McIlroy has commented, “Guys say you have to have a short game to win tournaments and it is not the case. Not at all.” Jack Nicklaus added his support, saying: “I agree with Rory. I never practiced my short game because I felt like if I can hit 15 greens a round and hit a couple of par-fives in two and if I can make all my putts inside 10 feet, who cares where I chip it?”

Excerpt From: Mark Broadie. “Every Shot Counts.” iBooks. https://itun.es/us/_-ZxL.l

Rory McIlory, Jack Nicklausの発言ですが、ショートゲームの重要さが妙にメディアなどで過大評価されすぎていると苦言しています。


2. 昨年のスコア解析の結論は間違っていた

昨年のスコア解析では、次のように結論しました:

「ショートゲームの良し悪しが、スクラッチやプロレベルと非常に格差がある。だから、パットと30ヤード以内のショットを特に練習した方が良い。」

確かに間違いではなく、3パットの多さは気になっていたので、デジタルパットのおかげで3パットが減り、30フィート圏内では3パットをする気がしなくなりました。しかし、このEvery Shot Countsを読んで、ショートゲームよりもスコアの改善に繋がる領域があるのではないかと思い始めました。つまり、ロングゲームの改善です。

なぜショートゲームに差が現れるかというと、実はロングゲームに差があるからです。なぜか?

a. ティーショットのミス: 
曲がるなどして、グリーンを次打で打てない場合。そういう場合は、3打目でピンに近づけて、パーをとるには1パットをするしかない。アプローチショットが、10フィート圏内に寄るのは実はプロでも難しい。世界のトッププロでも、50ヤードを超えると、平均して10フィートがせいぜい。10フィートのパットが入る確率は決して高くはない。プロでも43%。ティーショットをミスした時点で、グリーン100ヤード周りの平均打数が0.5 ~ 1打増えるのが、既に決まってしまっているのである。

b. ティーショットがよいポイントに打てた場合: 
グリーンを狙うショットで、グリーンを外しやすい。つまり、アイアンなどが上手く打てないために、グリーンを外し、寄せないといけなくなる機会が多い。故に、グリーン周りでの打数が増える。

c. ティーショットの飛距離不足: 
そもそも距離が出ないティーショットでは、レギュレーション通りにグリーンを狙うのが実質不可能になる。20ヤード距離が伸びれば、1ラウンドで、プロで平均して1.6打、ボギーゴルファーで3.6打伸びるらしい。


この本によれば、実はTiger Woodsがずば抜けて強い(賞金を稼ぐ)理由は、150-200ヤードのアプローチがピンに絡むからである。ホール近くにアプローチを打つために、ほどほどに飛ばして計算されてティーショットを打つ。ピンに絡むので、パットが入り、バーディーが取れる。平均パット数や、ドライバーの飛距離だけでいうと、他にも上手い選手はたくさんいるが、「100-150ヤード、150-200ヤード、200-250ヤードで、如何にスコアメイクに役立つアイアンショットを打てるか」(Strokes Gained Approach, SGA)を数えると誰もついてこれていない。


3. レイアップは距離を稼ぐ

当たり前ですが、グリーンに近づけば近づくほど、平均して少ない打数でホールアウトできます。本文には、何ヤード離れたフェアウェー、ラフ、バンカーから平均何打でホールアウトできるか、といった詳細な表があります。

例えば、450ヤードもある長いPar-4で、ドライバーで230ヤード飛び、残りが220ヤードあるとします。PW, 9Iなどのフルショットを2回すれば乗るプランは実は大たたきにつながりやすい。

ウッドやハイブリッドで飛ばせるだけ飛ばして、例え30ヤードのような中途半端な距離が残ったとしても、確率的にはよいスコアに繋がります。グリーン手前に池がある場合などは、もちろん池に入らないように、クラブ選択が必要です。

例えば、平均的なPGAプロの場合、30ヤードのフェアウェーからホールアウトする平均打数は2.5に対して、80ヤードでは2.7になります。30ヤードのラフでも、2.7。80平均のアマチュアの場合、30ヤードのフェアウェーでは2.7、80ヤードからは3.1です。

ウェッジやショートアイアンのフルショットの距離にレイアップするよりは、できるだけグリーンに近づけてやったほうがよいスコアになりやすいということです。


4. 意外とアマチュアのショートゲームは悪くない

PGAプロでも意外と3パットをします。例えば、40フィートになると10%, 50フィートでは17%。ハンディキャップ0のスクラッチレベルでも、40フィートで15%, 50フィートで23%です。

スコア解析以来、3パットを避けるために、40 ~ 60フィートのパットを練習ばかりするよりは、アイアンの練習をした方がよいかもしれない。

また、プロは平均パット数が29、とボギーゴルファーの平均パット数は33.5。この差は、パット自体の上手さの他に、残り距離の短さが影響しています。1ラウンドにして、パットによる差は4.5。他の15打以上の差は、ロングゲームに依存します。


5. ティーショットは距離を追求する

残り距離が短い方がスコアがいい。ティーショットの距離が今より20ヤード伸びると、プロで1ラウンド1.6打、ボギーレベルくらいで、4打程度よくなるらしい。ティーショットは、飛距離を追求し、フェアウェーを捉えなくてもいいので、次が打てる場所にあればよい。

そもそもツアーの上位プレーヤーの「フェアウェーキープ率」は必ずしも高くない。

コースの形状によりますが、フルショットの距離を残すよりも、40ヤード、70ヤード、90ヤードとか、中途半端な距離を残した方が良いスコアになる。


6. 安全策は自滅しやすい

長いPar-4や、短いPar-5で、ティーショット、2打目を5番アイアンで打ち、ショートアイアンでグリーンを狙って、2パットの5打で手堅くプレーするといった手堅く見える安全策のゲームプランは、実は大たたきに繋がり易い。

ホールの左右ともOBといった即死がありえるホール設定でない限りは、どんどんドライバーなど、正確性よりも飛距離を優先してプレーした方が、好スコアにつながる。 そもそも5番アイアンを2回綺麗に続けて打てることは実は少ないし、ショートアイアンでグリーンを必ず捉えられる保証もない。アマチュアの場合は特に、4オン、2パットのダブルボギーになりやすいのが統計的にも証明されています。

それよりは、ドライバーなど最大距離を出せるクラブで打った方が、平均ストロークは良くなる傾向にあります。

スィングのチェックポイント (3)

スィングについて (http://breaking70.blogspot.com/p/blog-page_30.html) のページで、何故よい球が打てて、悪い球ばかり打っているときはどこが悪いのかをすぐにチェックできるように整理しています。が、そこを見直しても悪いスィングが直らないので、チェックポイントを再度アップデートすることになりました。

いつも同じことの繰り返しなのですが、ボールと体の位置関係が悪いのが1つと、切り返しの後に足 (特に膝)の動きが悪いのが新たなチェックポイントになりました。


(1) ボールと体の位置関係のチェック

ボールと体の位置関係がおかしく、ボールから離れすぎているために、姿勢 (posture) が狂っていました。正しくは、左の絵のように、もっとボールに近づいて構え、グリップと体の距離がもっと近くなるのがよいようです。

しばらくプレーしなくなると、どうしてもボールを置く位置がずれてきます。


(絵は、YouTubeのスクリーンショットの上から、黒ペンでなぞってシルエットだけを抽出しました。)


次の絵は、ドライバー、3番アイアン、8番アイアンでの構え方。クラブが長くなるにつれて、微妙にボールと体の距離が離れ、グリップも体から遠くにセットされているのがわかります。

(絵は、YouTubeのTiger Woodsのスィング動画の上から、黒ペンでなぞってシルエットだけを抽出しました。)


(2) 膝の動きがない

このところ、スタンス幅が短くなったのが気になっていました。ドライバーでも5番アイアン程度しか開いていません。というのも、スタンス幅を広くしすぎると体の周りが悪くなって、ミスショットばかりでてしまい、スタンス幅を狭くすることでごまかせたからです。ただこれだと、クラブを振り抜いた後でも、体の腹、またはベルトのバックルがターゲット方向に向かず、完全に、気持ちよく振り抜けなくなります。

体重移動ができてなく、手だけで振っているようなスィングになっていたのかもしれません。

単に、腰をまわすことだけを意識するだけでは、足も同調して回ってくれないみたいです。よって、スィング中に、背筋がおかしくなり、頭が必要以上に動き、インパクトで体がボールの後ろにひかかったようなスィングになっています。

下の右の絵のような感じで、体がボールの後ろに残りすぎている感じですね。


ふとしたきっかけから、ダウンスィングを開始した後は、右ひざの内側が、左ひざの内側にくっつくように、足も意識して回転させるようにしました。ウェッジやショートアイアンでは、ある程度自然に回ってくれるのですが、クラブが長くなるとちょっと意識しないと回ってくれません。

イメージとしては、クラブをリリースして両手の前腕同士がひっつくくらいの時に、両膝同士が同じくくっつくような感じです。

(絵は、YouTubeのTiger Woodsのスィング動画の上から、黒ペンでなぞってシルエットだけを抽出しました。)


この動きが結局、スィング中に頭を動かさず、アドレス時の背筋の角度を維持するのに役立っているみたいです。

★ 膝の動きや、腰の動き方は人それぞれ違ってくるはずで、単なるスタイルの違いです。スィング自体の目的は、クラブの最下点がボールの左側(ターゲット側)、4インチ先を通過することなので、スィングの方法、説明の仕方は個人差があります。★



(3) 切り返し直後は焦らずゆっくり振り始める

ボールを打つ意図も明確、構え方も正しく、スィングも正しく始動できたにも関わらず、酷いミスショットになる。こういう場合は、ボールをしっかり叩こうと思うあまりに、手先が先行してしまって、インパクト前で手首が折れてしまう (下図の右)。こうなると、左へのひっかけや、フック、そもそもボールにちゃんと当たりません。

あくまでも感覚的なイメージですが、切り返し後は「右肘」が体の右側にストンと落ちてくる感じです。

特に長いクラブで、ボール叩くことを意識しすぎると起こり易いミスです。



まとめ

1. 意図を明確にする
  • どの場所に、どういった弾道ボールをおくか。
  • ミスした場合はどんな状況が考えられるか、またミスを受け入れるられるか。
2. スィングの種類を決める
  • フルスィング
  • スリー・クォーター
  • ハーフ
  • チップ
    など
3. アドレスの方向を確認する
  • 意図した飛球線に沿って構える。
4. グリップを確認する

5. ボール位置を確認する (1)
  • 左足内側から置く位置、左右の位置
  • ティーアップしないで、約4インチ
  • ティーアップして、約1インチ
6. ボール位置を確認する (2)
  • 体からどれだけ離すか、前後の位置。
  • クラブの長さに応じて、右足をどれだけ開くかを決める。
  • 気持ちよく触れる範囲で、スタンス幅は大きくする。
7. スィングを正しい方向に始動する

8. スィング中にアドレス時の背筋の角度を維持する

言い換えると、頭を動かさない (maintain constant spine angle)
  1. ダウンスィングの開始を急がない。右ひじが先に落ちる。前腕が先に落ちるとダフり、フックなどのミスにつながりやすい。
  2. スィング時に、右ひざを動かす。腰をまわすだけに気をとられない。クラブを振り抜いた後、右ひざと左ひざの内側同士がくっつくようなイメージでふる。
  3. バックスィング時に体が右にスライドしないように(スゥエーしない)、右足をしっかり踏ん張る。

デジタルパットを学ぶ (2)

デジタルパット(http://www17.ocn.ne.jp/~golfreak/d-putt.htmを実行する上での自分なりの利用方法の覚え書きです。


1. 短いパットはオーバー気味に打てる標準ストロークを選択する

短いパットは、ホールにちょうど届くよりは、少々オーバーするくらいの勢いがあった方が入り易い。20フィート以下のパターは、2フィート弱 (18インチ、1.5フィート) をオーバーさせるように標準ストロークを選択する。



丁度の距離の標準ストロークを選択すると、見た目は非常に惜しいパットを連発しているように見えるのだが、何回挑戦してもほとんどが入らない。4歩の距離だとしたら、5歩の標準ストロークで強気で打つべき。

30フィート以上のパターは、ホールに止まる程度で、2パットで上がるのだけを目標にすればよい模様。

2. 芝目に注意
傾斜がほとんどなく、平らな地点から、全く同じ標準ストロークで打っているにも関わらず、ホールの右から打つと2フィート以上オーバーするのに、ホールの左から打つとホールのほんのわずか手間で止まってしまう、といった不可解な現象がありました。恐らくこれは、芝目がグリーンの速さに影響しているようでした。芝目の向きも読む努力が必要かもしれません。



参考:
デジタルパット (http://www17.ocn.ne.jp/~golfreak/d-putt.htm

デジタルパットを学ぶ (1)

シングルからのヒント100選 (http://www17.ocn.ne.jp/~golfreak/p-index.htm) というサイトで紹介されているデジタルパット (http://www17.ocn.ne.jp/~golfreak/d-putt.htm) を薦められて、実践してみました。

昨年末のデータ解析から、パット力、35ヤード以内のゲーム力が向上するのが今後の上達の絶対条件だと結論付けたこともあり、このデジタルパットはまさにこれだ、と言うものでした。

デジタルパットの方法は、考案者のサイトにわかりやすくご紹介されておりますので、そちらをご覧ください。

デジタルパット (http://www17.ocn.ne.jp/~golfreak/d-putt.htm


ここでは自分が実践したことを記録しておきます。


自分のデジタルパットの理解としては、感覚や経験だけでパットの距離感を出す (スピードコントロールをする) のは非常に難しい。パットの曲がりを決定するのは、ボールのスピードに大きく依存します。デジタルパットを使うと、予め自分の歩測を基準とした標準ストロークを使って、距離を打ち分けることができるようになります。この方法の良いところは、特に毎日パッティンググリーンに通う必要もありませんし、自分の標準ストロークさえ正確に打てるように練習すれば、とても再現性が高いです。さらに、経済的コストはほぼ全く要しません。


どうでもいいことなのですが、デジタルパットを学術的に言い換えると, これまでの感覚と記憶に頼ったアナログな「連続距離パッティング手法」(Continuous Stroke Putting) に対して、「離散距離パッティング手法」(Discrete Stroke Putting)、「Quantum Putting」と呼べるかもしれません。
(以下、開発者様考案のデジタルパットで統一します。)



ティーグラウンドやフェアウェーで残り距離に合わせてアイアンやウッドを選択するように、パッティング距離に合わせてパッティング・ストローク幅 (標準ストローク) を選択する

デジタルパットのサイトで言及されているように、グリーンにたどり着くまでは13本のクラブで距離を打ち分けられることがルール上許可されているにも関わらず、グリーン上で使うのはほぼパター1本です。パター1本で、1フィートから100フィートを打ち分ける必要があります。

これまでの自分の距離の合わせ方は、こんな感じでした:
「カップまでの距離はあれくらいの長さだから、なんとなくこれくらいのストローク幅で振ればいいだろう。」
結果は、ショートして3パット、てのが基本です。故に、GIRの数が増えても、スコアの改善に繋がらないという自分のデータを裏付けています。フェアウェーで、残り距離や風、ライを基に数値的にどのアイアンでどう打つかを判断するのと比較すると、比べ物にならないくらい曖昧で、非体系化された方法です。

だったら、パッティングでも、アイアンを選ぶのと同じようにしたらよい。

デジタルパットは、残り距離を基にグリーン上で「何番パターで打つ」のかを数値的に判断し、実行できる方法です。残り距離に自分のストロークを合わせるよりも、自分の打てる距離を残り距離に合わせる方法なので、非常に再現性も高い。

デジタルパットを有効活用するには、自分の標準ストロークを如何に多く備えているかを、明確に把握するのが大事だと思いました。何本のパターを、バッグに入れられるかということですね。数回の計測で、1番から20番パターまで用意してみました。


ストローク幅の定義

自分のストローク幅は次のように定義し、下の図のようになります。右打ちで、ターゲットは左にあります。靴を履いた状態で、僕の内股の幅はおよそ4インチありました。ボールはスタンスの中心線がボールの右端と接するように置き、パターフェースは中心線と重なるように構えます。



  • Sは2インチ、スタンスの中心から靴の内側の距離
  • Mは4インチ、丁度靴の中心線までの距離
  • Lは6インチ、靴の外側までの距離
  • Wは12インチ(1フィート)
  • W+は18インチ (1.5フィート)
  • xWは24インチ (2フィート)
  • xxWは36インチ (3フィート、1ヤード)、パターをフルにリリースする振り幅。ただし、左手首は折らず、フラットなまま保つ。

標準ストロークの計測結果

これら7通りの振り幅を定義し、バックスィングと、フォワードスィングに採用します。打ち分けられ易い標準ストロークを数多く備えていると、より距離を出す成功率が上がると思い、次のような20通りのストロークを作りました。1番パターから、20番パターまであるという感じですね。13番から20番パターの打ち方が難しい。

計測はなるべく平坦で、遅すぎもなく、速すぎもしないグリーンで行っています。ボールはコースでいつも使うPro V1を使用し、各ストロークは10球転がして平均値をとり、歩数は整数になるように丸めました。僕の歩幅は1歩が2.5フィートでした。

表の列は左から、ID (パターの番手)、歩数、長さ(フィート)、ストロークです。例えばID 5番 (5番パター) のストロークは、「バックスィングをM (4インチ)、フォワードスィングをW (12インチ)にすると、7歩分 (17.5フィート) 転がせる」ということです。15歩 (37.5フィート) 圏内は、解像度が高く、感覚に頼っていたときよりも断然距離感が出し易くなりました。W+, xW の区別がやや難しく、W+-W+、W+-xW などは違いが出にくいですね。20歩以上の範囲では、まだまだ標準ストロークの練習が必要です。





カラー、フェアウェーからのパットは、距離 x 2

グリーンを外して、カラーやフェアウェーから寄せるときも、デジタルパットが使えます。目安としては、歩数を2倍にして計算すると距離が合いました。例えば、ホールからグリーンの端までが10歩、さらに2歩分離れてフェアウェーにボールがあるとします。必要な歩数は、10歩 + 2歩 x 2 = 14歩です。丁度14歩に相当する標準ストロークは持ち合わせていないので、ショートさせるならW-Wを、オーバー気味に打つならW-W+を選択します。ここで、決してW-WやW-W+のストロークを14歩に合わせてアドリブで調整しないのが、デジタルパットで重要です。

12歩 (10ヤード = 30フィート) だったら、次に計測したLWのPuttストロークでも距離が合いますが、安定性の観点からはパターを使った方が絶対いいです。

そこそこ上手く打てたチップショットよりも、少々失敗したパターの方が意外なことに寄せられることが多いです。


ショートゲームのデジタル化

デジタルパットの有効性、即効性、高い再現性に納得できたので、俗にいうアプローチショットもデジタル化してみることにしました。言い換えると、どのクラブでどのように打ったら、何ヤード飛んで、何ヤード転がり、トータルで何ヤード打てるのかをできるだけに把握しておくということです。

よく考えたら、この作業をしてこなかったのは非常におかしい。なぜなら、各クラブのフルショットの距離はゴルフをちょっとしていればだいたい把握しているはずです。それゆえに、Par-3で使うクラブや、Par-4, Par-5のティーショット、アプローチショットで使うクラブは「平坦で風もなく、150ヤードだから6アイアンでフルショットする」、「220ヤードの距離を稼いで、残りを9番かPWウェッジで打ちたいから3ウッドでティーショットする」といった具合に、自分がだいたい打てる距離を知っているから、自ずとクラブ選択ができる。

だったら、フルショットだけでなくて、スリー・クォーター (3/4)、ハーフ (1/2)、クォーター (1/4) のショットで何ヤード打てるのかを、把握してこなかったのは非常に不自然だった。

アイアンのスィング幅を「何度」振るとかは、非常に区別がつきにくいので、
  • パッティングストローク (Putt)
  • クォーター (1/4)
  • ハーフ (1/2)
  • スリークォーター (3/4)
  • フルスィング (Full)
の4つに絞ることにした。Putt と 1/4 は見た目には同じくらいの振り幅ですが、1/4はいわゆるチッピングで、しっかりと地面にクラブを打ち込んで打ちます。Puttは、まじでパターをアイアンに持ち替えてそのまま打つ打ち方。ダウンブローに打つ必要もなく、短い距離をウェッジのロフトを自然に利用して飛ばす、パターでは打ちにくい15-30ヤードくらいの距離を転がすときに重宝します。ロブウェッジで、クラブを開いて、Puttストロークをすると10ヤード以下の距離をちょっと飛ばして打つのも可能。(使う必要はほぼないのだが)

計測で、グリーン周りで使うクラブは、
  • ロブウェッジ (LW, 64度)
  • サンドウェッジ (SW, 57度)
  • ピッチングウェッジ (PW, 50度)
  • 9番アイアン (9I, 45度)
  • 7番アイアン (7I, 37度)
  • 5番アイアン (5I, 30度)
に限定しました。

また、LW, SWは、クラブフェースを開いて同じように打つ事で平均して5ヤードくらい距離を落とせることを発見しました。ただ、クラブフェースを開くと、オープンスタンスで打つ必要があり、ショットに一つ複雑度を足してしまうので、できれば避けたいショットではあります。


計測結果

デジタルパットと同じく、自分がどのクラブでどれだけ飛ばせるかが把握できるようになりました。アプローチの場合は、歩数を悠長に測ることはできないことがほとんどだと思うので、距離の計測は目測で何ヤードかを把握することになることがほとんどでしょう。

アプローチの場合は、キャリーの距離も考慮に入れないといけなかったり、ライの影響を非常に受け易いので、パットほどシンプルにはいかないかもしれません。が、やはりこれまで30ヤードくらいだから、なんとなーくSWでうつか、とか、50ヤードっぽいからSWを強めに打つか、といった感覚だけに頼った曖昧なことをしなくて済むようになります。

少なくとも、どのウェッジやアイアンで、どのスィングをしたら、何ヤードキャリーして、何ヤード飛ぶのかが把握できました。あとは、この数値的情報を基に、感覚や経験を交えていくと、ショートゲームのパフォーマンスが改善するのではと思います。結果表の暗記も必須かと。

まだ9ホールを2回プレーできただけですが、グリーンを外したときのクラブ選択、スィング選択に困らなくなりましたし、1パットの数が増えた感があります。デジタルパットと合わせると、2パットは固いですね。グリーンを外してありがちな、3オン・3パットのダブルボギーを撲滅できるかもしれません。

どのクラブとスィングを選ぶかは、同じ距離で複数有る場合は、(1)できるだけ転がせる距離が長く、(2)スィング幅が小さいものを選びます。ハーフスィングよりも、クォータースィングを、ウェッジよりもアイアンで転がせないかを考えます。ウェッジでクラブフェースを開くショットは見た目は派手ですが、再現性は低い。転がすショットだと、ミスショットをしても、さほど悪くない結果になります。ダフってもグリーンに乗り易いです。



5番アイアンのハーフショットは、転がる距離の予測がつきにくいのであまり使う機会は無いかと思います。アプローチというよりは、木の下から出すときとかに使えそう。

この表をコース上で、パット見て使うのが難しいかもしれない。「転がし / 低い球」、「ウェッジで打つ球」くらいの2種類の表を作るとよいかもしれない。


意外と使えるのが、ショートアイアンでのハーフショット(1/2)および、スリークォーターショット(3/4)だ。表には入れてないのだが、ハーフショットで総合距離は
  • 9番: 60ヤード以上
  • 8番: 65ヤード以上
  • 7番: 67ヤード以上
ただし、スピンがかかりにくいので、ランは10-15ヤード出ていると思う。よって距離がバラツキやすいのだが、打ちミスをしてもとりあえず前に進むし、ウェッジをダフったりしたときほど距離の損失が出にくく、悪くてもとりあえずグリーンには乗りやすい。


スリークォーターショットでの総合距離は:
  • PW: 78ヤード
  • 9番: 85ヤード
  • 8番: 92ヤード
  • 7番: 105ヤード
くらいが目安になった。こちらはハーフショットよりもスピンがかかりやすいので、ランは大体3ヤード以上が目安になる。

僕は、サンドウェッジやロブウェッジでのフルショットをかなり苦手とするので、サンドウェッジのハーフショットで打ちにくくなる55ヤード以上から100ヤードくらいの間は、PW、ショートアイアンでカバーできそうなのがわかった。特に、ハザードがなく見通しがよい場合は絶好の技となる。どうしても打ち上げていく必要がある場合に初めて、ウェッジのスリークォーター、フルショットをすることを検討する。



結論

苦手な30フィートの距離、カラーからのパットの距離などがぴたりと合う。気味が悪いくらいに距離のコントロールが改善された。カラーなどから転がすときは、通常の2倍の距離として計算すると丁度よい。

闇雲にパットの練習をするくらなら、デジタルパットを取り入れた方がよいと思う。最新の道具にコストをかけるよりも、数時間の練習時間を作り、デジタルパットをすぐに実践した方が短期的にも、長期的にもスコアの改善に直結するはずだ。

課題としては、以下である:
  • 自分で計測した表を暗記し、メモをポケットから取り出さなくてもどのストローク幅(クラブ)を使えばよいかを瞬時に出せることだ。アプローチについても同じく、表を暗記する必要がある。でないと、慣れない間はスロープレーになりかねない。
  • 特に自分のストロークでは、W (12インチ)、W+ (18インチ)、xW (24インチ) で作る W-W, W+-W+, xW-xWなどの打ち方を体得する必要がある。実際のラウンドでは、xW-xW (24歩)で打ったつもりが、後々で検証するとW+-W+でしか打っていなくて、10フィート(4歩) 以上もショートするといったことが少なくなかった。
  • W-W以下の標準ストロークでカバーできる30フィート圏内は数回の調整だけで、ものすごく再現性が高くなった。W, W+, xW, xxWを組み合せる30フィート以上の標準ストロークの体得が3パットを防ぐポイントになりそうである。いざ、グリーンにたつと、12インチ(1フィート)、24インチ(2フィート)の振り幅をど忘れしてしまう。
  • カートでプレーする場合は、グリーン周りに携帯するのはウェッジとパターだけだった。アプローチは、転がした方が安全なので、ウェッジだけでなく、面倒でもショートアイアンも1本は携帯するようにした方がよい。



参考

  • デジタルパット (http://www17.ocn.ne.jp/~golfreak/d-putt.htm

ハイブリッド一本だけのプレーから学ぶこと


先日ラウンドで、6ホールだけ、ハイブリッド (2番、19度、40.75インチ) 1本だけでプレーしてみました。Bubba Watsonがハイブリッド1本だけで81したというニュースがプレー中に話題になり、ちょっと試してみることにしました。ゴルフを始めたころはとくに、7本くらいでプレーしていたこともあり、少ない本数でのプレーはめずらしくはありませんが、パッティングもすべて1本でするのは初めて。いやー、面白い、いい経験でした。

バックティーからのプレーで、6ホール中、3ホールでパーオンしました。他の3ホールは通常ならボギーは固いプレーだったんですが、ショートパットはどうしても引っかけたり、どうしても高くあげないといけないアプローチは難しくで、残念ながらスコアにはならなかったです。パーは1回でした。


以下、1本だけのプレーから得たことです。


1. グリーン回りのアプローチは、低く打って転がしに徹する

今回の一番の収穫です。ハイブリッドしか使えるクラブがないので、グリーン回りのアプローチは、パターのように転がすことしかできません。グリーンとボールの間にラフがあろうが、とにかく転がしに徹するしかない。

去年は、14番目のクラブとしてロブウェッジをバッグに入れたり、グリーン回りは「ちょっと転がしにくいな」と思ったら、すぐにふんわり高くあがるショットを多用しがちでした。見た目はかっこいいのですが、高く上がるショットは方向性に加えて、ボールの打ち出し角度が距離の精度に大きく影響をし、成功の確率は非常に低いのは言うまでもない。

今回は、転がししか使えないものの、浅いラフがあっても、とにかく転がして1グリップ以内に寄せられたのが6ホール中で2ホールありました。また、転がしで失敗しても、ウェッジで高く上げてそこそこ飛んだ場合の精度と同じくらいなので、平均すると絶対に転がした方が、ピンに寄る確率は高いですね。

まずはパター、ショートアイアン (ハイブリッド、ウッド)で転がせるかどうか吟味して、ウェッジで高く上げるのは、最終手段としたほうがよさそうです。

実は、ウェッジでのアプローチは、無駄にゴルフを難しくしているのかもしれません。


2. 本当にバッグに入れる必要のあるクラブがわかる

逆に言えば、あれば便利だがなくても大丈夫なクラブが意外とバッグに入れられているということです。1本のクラブで困ったのは、次の場合でした。

パット:
特に10フィート以下の短いパットは、絶望的でした。ひっかけやすいことに加えて、スピードコントロールが難しい。10フィート以下では、絶対にパターがあればスコアが変わりますね。

バンカーショット:
今回は幸いにもバンカーには入りませんでしたが、特にグリーン回りのバンカーで、ハイブリッドだけだと、安定した脱出は不可能ですね。というわけで、バンカー用に1本ウェッジが必要。

アプローチ:
自分のハイブリッドは普通に打ったときは200ヤード程度の距離が目安です。170, 180ヤードくらいに距離を落とすのは、グリップを短く持ったり、スリー・クォーターくらいのスィング幅にして調節が効きます。数10ヤードだったら、転がしてそれなりに打っていけます。

が、一番厄介なのは、特にピンがグリーンの前側に切られている場合、どうしてもボールを落下点近くに止めたいという状況です。100~130ヤードくらいの、ショートアイアンで打つ範囲が特にきついですね。旗が、グリーンの奥だと自然に転がっていいのですが、手前の場合は厳しく、下りの長いパットを強いられます。さらに、グリーン回りで、どうしてもラフなどを超える必要が有る場合にも、9, 8番アイアンが1本あれば、と思いました。

ということで、




  • ハイブリッド (19度)



  • 9番アイアン (45度)



  • サンドウェッジ (57度)



  • パター


  • の4本プレーに今度は挑戦してみたいです。これで意外とスコアは普段とかわらないはずです。


    ***追記***
    3. 1本のクラブだけでスコアにならない理由: どの打ち方で何ヤード飛んで、転がるかを全く把握していない

    3フィートの短いパットを、ハイブリッドでしなければならないという理由は除きます。6ホール中で3ホールパーオンしたのは:

    • 360ヤードのPar-4: 180ヤードを2回打つ (ハイブリッドフルショットを1インチ短く握る)
    • 400ヤードのPar-4: 200ヤードを2回打つ (ハイブリッドフルショット)
    • 180ヤードのPar-3: 180ヤードを1回打つ (ハイブリッドフルショットを1インチ短く握る)
    というパターン。このパターンにハマらないケース、例えば
    • 130ヤード
    • 100ヤード
    • 50ヤード
    といった、非常に中途半端なショートゲームの距離。こんなのを打ち分けようとは思いませんが、少なくとも次のようなことを知っているだけでも、スコアが変わったかもしれません。それは、ハイブリッドの
    • スリー・クォーターをしたときのキャリーとランの距離
    • ハーフスィングをしたときのキャリーとランの距離
    • クォータースィングしたときのキャリーとランの距離
    • パッティングのスィングをしたときの(転がる)距離

    各クラブのフルスィングの距離は、検討がつきますが、それ以外の打ち方をしたときはどのクラブもよく分かっていません。特に100ヤード以内のショットは、なんとなくの感覚ででしか打たないので、その辺を定量的に、参考となる打ち方とクラブの組み合わせみたいなのをできるだけ正確に把握しておく必要があるのかもしれません。