The Ranch Golf Club攻略 - 3番ホール

3番ホール
Par-4 (HCP-13)
341ヤード


3番ホールも、2番と同じくホールが3分割されています。が、2番よりも距離が要求されず、グリーンが広いので比較的易しいホールです。ティーショットを飛ばし過ぎず、フェアウェーを捉えらればパーにしやすいでしょう。

全体図
ティーグラウンドからフェアウェーまで、高低差が30mくらいあります。フェアウェー カートパス左に壁がありますが、意外と遠く見えて近い。200ヤードも打ってしまえば、壁に直撃してロストボールになります。高低差があるので、180ヤード前後を飛ばすつもりで、フェアウェーバンカー左側を狙えば、いい位置からグリーンが狙えます。



通常ルート
ティーショットの狙い目は、フェアウェーバンカー左の青い点線で囲まれた地点。ティーからは、水平距離で190ヤード、30メートル近くの打下ろしになる。

高低差のため実質キャリーで180ヤード飛ぶクラブが適当。フェアウェーウッドやドライバーで打つとトラブルの元になるので、ロングアイアンくらいでちょうどよい感じ。下の図の黄色の矢印のところまでキャリーで210ヤード程度なので、短いクラブを持ったつもりでも、壁に直撃することがあり要注意。


ティーショットは、フェアウェー左に構えて、フェードボールでバンカー左のフェアウェーを狙うのが理想。


どうしてもフェアウェーの端っこまで飛ばして、2打目がグリーンから100ヤードの位置で打ちたいなら、220ヤード程度まで飛ばしても大丈夫だが、その場合左右にミスできる場所がなくなり、正確に220ヤード打たなくてはならないので非常に危険になる。

アプローチは、若干左足下がりのライになるので、坂道に合わせてアドレスして、ぴしっとグリーンにのせたい。高低差は見た目ほど無いので、計測値が130ヤードなら、130ヤード飛ぶクラブでOK。


おまけ: ギャンブルルート

飛ばし屋向けのギャンブルルート。白ティーから、グリーン手前まではキャリーで270ヤード程度ある。極端な打下ろしなため、260ヤードくらいキャリーしたらグリーンまで届くかもしれない。飛行ルートは、↓


ティーから見るとこんな弾道になる(はず)。


僕には真っ心を食って、ランも含めて最大飛距離が260ヤードに達するかどうか、な程度なのでこの戦略とは無縁ですが、いつか練習用ボールをたくさんもってこっそり挑戦してみたいですね。2番ホールに戻ってミスしたボールを打てるのなら、実は現実的なルートなんですが。。。

The Ranch Golf Club攻略 - 2番ホール

2番ホール
Par-4 (HCP-11)
373ヤード


このホールからThe Ranchが敬遠される所以かもしれない。The Ranchは2番ホールから7番ホールを耐え抜くことができれば楽しめる。この6ホールはボギーがパーでよいくらいで、ダブルボギーをとったとしても、ボギーをとってしまったくらいの寛大な心の準備をしておく。この前半ホールを切り抜ければ、他のホールで挽回が可能だからだ。

The Ranchは全ショットをPar-3のように点と点を結んで打つ必要がある。とりあえずティーショットをドライバーで飛ぶところまで打って、残り距離によって適当にアイアンを選んで打つといったアバウトな戦略は使えない。逆に、きっちりアプローチを残り150-120ヤードの範囲から打ちたいので、ティーショットは4番アイアンで160-180ヤードを期待して打つ、といった逆算 (recursive) したプランが要求される。しかしながら、パターンが決まってくるので一度ハマると好スコアになりやすく、他のコースに比べて、パーオン率が異常によくなったりすることもある。

本来どのコースも、"recursive"に、グリーンから逆算してプレーするべきなのかもしれない。



2番ホールは、ハンディキャップ11のホールながら、個人的には得意でない。過去の記録では、あるときはバーディーを取りながら次のラウンドでは、簡単にダブルボギーにしてしまう、など浮き沈みが激しい。アプローチのアングルによっては、グリーンの奥行きが実質15ヤード程度しかないので、2打目にかなり正確性が要求される。番手選択のミス、打ちミスをするとグリーンに乗りにくい上に、このグリーンは寄せにくい(と思う)。ある程度正確なアイアンを打つには、ティーショットを飛ばして、フェアウェーに置く必要がある。ティーショットとアイアンショットがツボにハマれば好スコアが期待できるのだが、ちょっとしたことでミスを招きやすい。

ティーグラウンドからは、理想的な落下地点のフェアウェーは見えない。丁度次の図の、黄色矢印が狙い目(かつグリーンの方向)である。ティーショットは、右から左にドローを打つのがちょうどよいかも。



白ティーからだと、フェアウェーウッドで、210-230ヤードくらいを飛ばすと、グリーンのセンターまで150-130ヤード程度のアプローチが残るので、ショートアイアンからミドルアイアンでアプローチが可能。ティーショットは多少右にプッシュしてもフェアウェーバンカーで止まってくれる。



ティーショットは実は左のカートパスの方向に構えて、フェード、スライスで打つのもありかもしれない。2番ホールでフェードは打ったことがないので実験が必要。




まとめ
  1. 210-230ヤードのティーショット
  2. 130-150ヤードを、ショートアイアン/ミドルアイアンで、グリーンセンターを狙ってフルショット
  3. ピンを直接狙うよりも、グリーンセンターが安全

The Ranch Golf Club攻略 - 1番ホール

1番ホール
Par-4 (HCP 15)
305ヤード





谷越えのティーショットになりますが、見た目程飛ばさなくてもよくてフェアウェーが広く、易しいスタートホールです。白ティーからだと、キャリーで110ヤードも飛べば反対側まで到達します。グリーンへのアプローチに120ヤード前後を残すようにティーショットすれば理想的。180-200ヤードくらいを楽に打てるクラブ (ロングアイアン、ハイブリッド、フェアウェーウッドなど) でティーショットするのがいい。無理してドライバーを使う必要はないでしょう。

フェアウェー右側だと、グリーン面が見えないブラインドショットになります。グリーンは25ヤード程度の奥行きしかないので、グリーンセンターを狙うのが安全。グリーンの傾斜はさほどきつくなく、奥から手前に傾斜する。


まとめ
  1. 180-200ヤードのティーショットをする。できればフェアウェー左側を狙う。
  2. 100-120ヤードを、ウェッジ, ショートアイアンで、グリーンセンターを狙ってフルショット。


超ロングヒッターなら、「ドライバーで直接グリーン付近を狙って、寄せワンバーディを狙う」という戦略もありかも。

1番ホールは18ホール中でかなり簡単な方なので、悪くてもボギーにして、鬼門の2~7番ホールに備えたいところ。

ドライバーのティーアップの高さと飛距離の関係

前回の「ドライバーのミスを減らす」方法の中に、ティーアップの高さを高めにセットするというのがあった。2006年の記事だが、ティーアップの高さとドライバーの飛距離を調べた実験結果が紹介されている。結論から言うと、ティーアップのが高い方が、飛距離が伸びる。実験に参加した人たちは平均して12ヤード、キャリーが伸びたらしい。記事はこちら: GOLF MAGAZINE GOLF.com, "Tee it High or Low?", 2006

実験はこんな条件で行われたらしい
  1. 参加者を、ローハンデ (0-9), ミッドハンデ (10-19), ハイハンデ (20以上) の3つのグループに分ける。
  2. ティーの高さを、低、中、高の3つに分けて、ドライバーを打つ。ティーの正確な高さは記されていない。
  3. 各ショットの、飛距離 (キャリーのみ)、打ち出し角度、打ち出しのスピン量、ボール初速度、ヘッドスピードを記録。

参照記事では結果は、表になっているがわかりやすく飛距離とティーの高さをグラフにしてみた。



実験結果では、どのハンディキャップグループでもティーアップが高いほうが、飛距離が伸びる。特に、高いハンディキャップになるほど、平均して18ヤードも飛距離が出るという結果だ。18ヤード伸びると、アプローチにつかうアイアンの番手が1~2番手変わってくるから、この変化は大きい。

実験では、残念ながら、どんなボールとドライバーを使ったかは明確でない。また実験結果はキャリーの距離だけしか公開されていない。ランの距離も含めた飛距離はわからないので、ティーアップが高いほうがどこまで飛距離が伸びるのかは定かではない。しかしながら、ティーアップが高いほうが、ボールのスピン量がすくなく、ボールが地面に着地したあと止まりにくくなる効果があるので、ランも(ティーアップが低いときよりも)伸びるか、極端に縮むことはないかもしれない。

実験条件に不確定要素があるものの、ティーアップが高い方が飛距離が伸びると傾向がみられる事実は非常に重要だ。さらに、元記事には、フェアウェーキープ率についての実験もあり、ティーアップが高いほうがフェアウェーに残る確率が高くなるそうだ:
  • 低いティーアップ: 58.5%
  • 中くらいティーアップ: 54.1%
  • 高いティーアップ: 61.5%


PGA Tour Pros

PGAツアープロのティーアップの高さと、平均飛距離についての数値も紹介されていた。横軸にティーアップの高さ (cm) と縦軸に平均飛距離 (ヤード) をとってグラフにしたのが、下図である。



非常にばらつきが大きいデータ群であり、低いティーショットでも飛ばす人もけっこういるが、平均300ヤードを超えるプレーヤーは、4cm前後に集まっている。4cmというと、460ccくらいのドライバーであれば、丁度ボールの上半分がドライバーヘッドの上面の上に顔をだすくらいの高さだろう。わりとセオリー通りの高さになる。

図中には、全てのデータポイントを対象にして、最小二乗で線形フィットした直線も含めてみた。この直線も、ティーアップが高いほど、飛距離が長くなる傾向を示している。

ドライバーのミスを減らすには


ドライバーは、クラブの中で最も長く、(パターを除いて) ロフト角が小さいクラブなのでミスが起きやすい。それ以外にもミスが起きやすい理由があると思う。

ドライバーは最も距離が出せるクラブなので、無意識のうちに飛ばすことを意識してしまいがちだ。ドライバーを手にして、フェアウェーウッドやハイブリッドクラブの飛距離しか出なかったら納得がいかない。すると毎回どうしても、自分の最大飛距離までぶっ飛ばさないと気が済まない。すると強振しようと、力み、余計にミスが出やすくなるのではないか?

この「毎回ドライバーを手にしたら飛ばしたい」と欲張るのがそもそものミスの原因かもしれない。

1. 最大飛距離よりも、アプローチが打ちやすいことを優先する


そもそもドライバーは心理的にミスが起きやすいので、まずは心構えから変えなくてはならない。

ティーショットの目的は、そもそも飛ばすよりもPar-4ならグリーンへのアプローチが最も打ちやすい地点へ安全に運ぶことだ。さらに、最近のアイアンはよく飛ぶし、8, 9番で140-160ヤードを打つ人も少なくない。これはアイアンのロフトが昔にくらべて、極端にストロングロフトになっている影響でもあるが、それでも昔に比べてミスに強くなっている (はず)。

例えば、400ヤードのPar-4で、2打目を150ヤードから打ちたいと思う。が、多くのアマチュアにとって確率よく期待するのは難しい。つまり、一般アマチュアで250ヤードを毎回打つのは事実上不可能。それができるならスクラッチプレーヤーになれている。それはどうしても飛距離を欲張ったゲームプランなために、先述のように力みが発生し、ミスもしやすくなる。

その代わりに、「200-220ヤード程度飛べばいいや」と思って打つ。ティーアップも高めにして (後述)、少々弾道が高くても、安全にグリーンが狙える場所まで運んでいく。仮に残りが180ヤードだとしても、最近のハイブリッドグラブなんかを使えば2打目も安心して打てる。距離が伸びて、250ヤード飛んでくればもうけたもの。ドライバーはそもそも、バッグで一番長いシャフトと小さいロフトなので、そこそこ当たれば自然に飛ぶクラブだ。少々期待したよりも飛ばなくても、寛容に受け入れて、フェアウェーの打ちやすい地点から2打目を打つ。

ドライバーのミスを減らすには、飛距離を欲張らないこと、これに尽きると思う。


2. ティーアップの高さ

個人的には、ドライバーで天ぷら (pop-up) を打つのが一番嫌いなので、ティーアップは低めにしてきた。が、ちょっと練習場やコースで実験すると、ティーアップは高めの方がミスが起きにくい。さらに低めのティーアップは、打ち込むようなダウンブローの軌道になるとスピンがかかりやすいようなので、実は距離も損することが多いかもしれない。ミスが起きにくいので平均飛距離も伸びたようだ。具体的な高さとしては、セオリー通りにボールの上半分がドライバーヘッドの上面より上になるか、それよりもわずかに高くしたらよい感じである。

イメージとしてはこんなもの↓


関連して、ドライバーを975D (ロフト9.5度, 体積260cc)から、975J (ロフト10.5度, 体積315cc)に変更して、より高い弾道が出るようにした。意外とどーんと打ち上げるような高い軌道に変わっても、そこそこ距離はでているようだし、最大飛距離は975Dのときと変わらない。975Dの突き抜けるような弾道とはまた違うのだが、どこーんと高い弾道で打っていくのも面白いかもしれない。




ティーアップの高さは高いほうが、飛距離がでるという実験結果もある。これは別エントリーにて。


3. スィングの切り返しを直す

最後は、スィング・メカニックスについて。

冒頭でも述べたとおり、ドライバーを失敗する理由は、「最大飛距離を毎回得たい」、「飛ばしたい」という欲が強く出てしまう。そのために、バックスィングで捻った体を上体、とくに腕から先に捻りを解くくせがある。言いかえると、スィングの切り返しを腕で開始してしまうくせがある。

ここをセオリー通りに、下半身、特に腰から始めるようにする。下記は、Ben Hoganの本, "Five Lessons"からの引用である。

"If the average golfer will only start his downswing with his hips, what world of difference this will make in his swing and his shots, and not to mention his score!"
アヴェレージ•プレーヤーが、ダウンスィングを腰を回転させてスタートするだけで、スィングが驚く程改善する。それ故に、ショットもよくなり、劇的にスコアがのびるだろう。
(Ben Hogan, "Five Lessons - The Modern Fundamentals of Golf" p.93)



まとめ

以上、ドライバーのミスを減らすポイント


  • 飛距離を欲張らない。ティーショットの目的は、アプローチが簡単に打てる地点にボールを運ぶこと。飛んだ、飛ばないは、自己満足である。


  • ティーアップは高めにセットする。


  • ダウンスィングは、腰からスタートさせる。


  • ベン•ホーガンApexアイアンの塗り直し (その2)


    今年の1月にアイアンの番手部分の塗り直しを行いました (ベン•ホーガンApexアイアンを手直し (2012年1月27日))。今年はゴルフをしてきた中でも最もラウンド数が少ない年になりそうですが、それでもアイアンの番手部分の塗装のハゲが気になってきます。

    塗り直しはこんな状態: 7番~PWにハゲが目立ち、4, 5番アイアンは赤色が所々はげているのが目立ちました。プラカラーははげやすいのかもしれません。



    前回は、プラモデル用のエナメル塗料を使いましたが、今回はマニキュアを使用します。マニキュアの方が、実は使いやすい。まず、ふたを外せばそのまま筆になるので、エナメル塗料を塗るときのように、筆と洗浄用のシンナー、小皿を準備する必要がなく、手軽に作業できます。Apexアイアンに合う赤色と、お試しでメタリック系の青を用意。



    試しに色のバランスを見るために、5番アイアンと8番アイアンを塗ってみました。やっぱり、Apexアイアンには赤色がしっくりきますね。



    ということで、他のアイアンも赤で塗り直します。まずは、はみ出しを気にせずに色を塗ります。24時間くらい乾燥させました。マニキュアなので、もっと早く乾燥するかも。


    乾燥後、綿棒にネイル落とし (=シンナー)をしみ込ませて、はみ出た塗料を拭き取ります。


    丁寧に拭き取った後の状態がこれです。番手の色を綺麗にするだけで新品みたいに見えます。



    マニキュアの耐久性が、プラカラーに比べてどのくらいか興味があるところです。予想では、プラカラーよりもはげにくいのではと思っているのですが。。。

    スクラッチプレーヤー


    久々の18ホールのラウンドで、たまたまスクラッチプレーヤー(だと思われる)紳士と一緒の組になった。その時に観察できたことをメモしてみる。


    • プレーに派手さがなく、一見ボギーゴルフをしているかのように地味。
    • よくよくスコアを数えると、パープレーか、アンダーパーで、淡々とプレーする。
    • ドライバーの最大飛距離は特に出る方ではなく、240-250ヤードくらい。ハンデ2桁のプレーヤーの方が飛んでいるくらいだが、平均飛距離が長く、230ヤードくらいはでている。さらに、各ホール間のティーショットの距離のばらつきが小さい、つまり安定している。
    • ティーショットにもちろんミスは1何度か出るのだが、トラブルになりにくい。必ずしもフェアウェーをキープはしないが、とりあえずグリーンが狙える場所にボールがあることがほとんど。1ラウンドだけの観察だが、2打目でグリーンが狙えなかったのは1回だけ。
    • グリーンを外したときのパーセーブが上手。寄せやすい場所にミスしているのも考慮しなければならないが、これが一般プレーヤーと大きな差だと思う。
    • パターの距離感が上手。
    • 無駄口が少なく、ポジティブなコメントが多い。
    • プレーが早い。



    観察できた主な数字:

    • スコア: 36 + 36 = 72
    • 10 GIRs
    • 3 バーディー、3 ボギー
    • 8回グリーンを外したうち、5回セーブ (63%のパー•セーブ率)
    • 3パット無し, 27パット (チップインが1回)

    自分は46+40=86。18番ホールの4フィートのパットが入れば、久々にハーフで30台だったのですが、残念でした。上手な人と一緒にプレーすると、自然とスコアがよくなりますね。

    ゴルフとマネージメント(3): 責任をとる


    ゴルフのスコアをまとめるには、責任がとれることが重要だと思う。

    つまり、自分が打ったショットがナイスショットであれ、ミスショットであれ、結果に正直に対応するのだ。逆に、起こり得る結果について責任が取れないようなショットをするくらいなら、しない方がいい。かえってスコアが悪くなる。


    例えば、(ドライバーが追い風でぶっ飛んで) Par-5の残りが210ヤード、グリーンの左は全て池、旗はグリーン中央という状況を考える。

    ランも含めて210ヤードを自信を持って打てるなら、どんどん打っていく。もしも左に引っ掛けて池ポチャして、池の淵からドロップした4打目を寄せてパーを取る自信があれば、どんどん勇敢に挑戦すべき。「寄せに失敗してもボギーならいいや」と割り切れるなら、狙っていくべきところ。これは、あらかじめ起こりうる結果を受け入れて、責任をとる準備ができている心の状態なので、いいショットができる確率も高い。


    自分で納得できる結果を受け入れられるなら、どんどん攻めるべき。
    あまり好ましくない結果でも、ボールを打つ前に予め受け入れておけば、意外とのびのびとスィングができる。



    (肝心の飛球線が薄くてすみません: 真っすぐ飛んでいる線と、左に曲がっている線の2本あります。)





    逆に、

    • 「ダブルボギーにはしたくない」
    • 「池ポチャした後は、パーやボギーにできる自信があんましない」
    • 「どうせ2打目がグリーンの淵まで飛んでも4つであがるのは無理だな」

    といった、失敗を受け入れる準備ができないときは、2オン以外のルートで自信をもって実行できるショットをする。

    2オンしないのであれば、210ヤードを2回で乗せるルートに徹する。例えば、

    • 7番で打って、次はサンドウェッジのフルショット
    • ピッチングウェッジのフルショットを2回

    とか。




    万が一3打目を外しても、短いクラブなのでそんなに変な地点にはいきにくい。ゴルフは確率のゲームなので、210ヤードを2打で乗せるルートをとってもダブルボギーになることはもちろんありえる。逆に、3打目がピンに絡んでバーディーのチャンスになることもある。

    付け加えて言うと、ウェッジで30-50ヤードを打つのが苦手なプレーヤーは、残り210ヤードの残り距離だけで160-180ヤード前後打つクラブをもち、苦手な距離をわざわざ残すくらいなら、フルショットを2回打てるクラブを選択した方がいいかもしれない。ピンまでの残り距離は1つの意思決定要因に過ぎない。クラブを選択するには、ライ、風向き、次打の打ち易さ、自分の得意距離、得意クラブ、苦手クラブ、その日の調子などなどを考慮して、成功の確率が最も高い手を打つべき。



    自分が選択したショットの起こりうる結果を受け入れられるかどうか、を吟味して次の手を打つ。

    結果を受け入れられて、尚かつミスショットの場合の責任が取れる (= リカバリーショットが打てる) ならどんどんそのルートで攻める。

    そうでなければ、もっと安全な、易しく、怪我をしにくいルートを考える。


    見た目に派手なゴルフはできなくなるかもしれないが、スコアはぐっとまとまり、ハンディキャップも縮むと思う。

    ゴルフとマネージメント(2): もったいない!


    「いまのはもったいない!」
    「あ、またやっちゃったよ。もったいない」
    「もったいない」

    よくグリーン上で発せられる言葉である。

    省略せずに言うならば、「あーあー、1メートルの簡単なパットを外してしまった、もったいない」といったところか。

    しかし果たして本当に「もったいない」のだろうか?



    「もったいない」は、確実にできたはずのものが得られるはずだったのに、得られなかったものについて言うべきだ。


    あくまで個人的意見ではあるが、100%の確率で成功して打てるショットはゴルフにはほとんどあり得ない。わずか10センチのパットを外すことも見た事があるし、ましてや1メートルのパットを狙って100%決められるのは一般アマチュアには不可能。

    ゆえに、仮に確実にできるはずのものをミスしてしまって「もったいない」とは言えるかもしれないが、1メートルのパットなどをミスしたときに「もったえない」などと軽はずみには言えないのではないか?

    そもそも1メートル程度 (3-4フィートの長さ) のパットは簡単ではない。曲がりや速さによっては、10球連続で決めることも非常に困難だ。50センチのパットでもラインによっては、けっこう神経つかわないと大変なこともある。1メートルのパットは、見た目はチャンスにみえるが、特にアマチュアゴルフにとっては難しいし、外しても全く恥ずかしいことではないと思う。プロの試合でも必ずしも簡単に打ってはいないと思し、100%成功するとは限らない。

    そもそも「もったいない」と言ってしまうと、パットを外してしまった相手に対して失礼だし、負の流れをもたらしかねない。(加えてエチケット違反だと思う)


    見かけは易しそうだが、成功すればその日のスコアが大きく違うのが1メートルのパット。

    外してしまえば、惜しくて悔しいのだが、外れてもおかしくない。

    だからこそ、1メートル程度のパットは、一番練習量が多くてもいいくらいだと思う。



    自分ならこういう状況は「もったいない」というかもしれない。

    全長290ヤードの、高低差のないPar-4のホールで、260ヤードのドライブを放って、フェアウェーを捉える。ピンはグリーン中央。

    2打目のウェッジショットをトップしてグリーン奥まで飛ばしてしまい、3オン、さらに3パットのダブルボギーにしてしまった、、、

    としたら、「もったいない」だろう。

    こういう状況はやはり4つのパーで上がりたい。

    そのためには100ヤードないし、50ヤード圏内のショートゲームの練習は欠かせない。

    ゴルフとマネージメント(1): スコアをまとめるために、スコアを無視する


    ゴルフのゲームの目的は、できるだけ少ない回数でボールをホールに沈めること。





    今までの経験からして、いいスコアで回ろうと意気込んで、目標スコアを攻略できるようにスコアをまとめようとしてもなかなか上手くいかないことが多かった。というか、最初に期待した目標スコアを出せたことは皆無だったように思うし、むしろ過度の期待をして普段よりも悪くなったことが多い。逆に、スコアに期待せず、淡々とボールを打つことに徹することができたらよいスコアがでることが多い。


    実際、100、90、80を初めて切ったときのラウンドなんかは、スコアはまったく期待せず「ぼちぼち回ろう」くらいな心構えだったと思う。





    「今日は79でまわりたい」
    「先週はじめて100切って97だったから、今日も96, 97くらい出せるだろう」
    「残り3ホール、全部ボギーだったら90切れるナ。。。」


    実は、スコアをコントロールしようとしても、実は自分がスコアにコントロール、翻弄されるのが関の山。

    「ショットの調子もいい、体調も万全。だけど、何故かプレーをしていて思うように調子がでない、スコアがいまいちよくない」とことはないだろうか? そういうときは、いまプレーしているホールのスコアを過剰に意識したり、18ホールの最終スコアに過度の期待をしている事が多いかもしれない。

    スコアは実は「コントロール不可能なこと」なのかも。欲張るとしっぺ返しを食らいやすい。


    ゴルフにおいてコントロール可能な事柄は、目の前のボールの処理方法。言い換えると「現在の状況をどう対応するか?


    • 現在目の前にあるボールをどう打つか? 
    • どのクラブを使うか?
    • どれくらいの距離打つか?
    • どんな弾道を打てるか?


    逆に、コントロール不可能な事柄は、たくさんあると思う:


    • 18ホールのスコア
    • 同伴競技者、ペアリング
    • 天気
    • 気温
    • 同伴競技者のスコア
    • コースのコンディション
    • グリーンの速さ
    • ディポット痕
    • すでにプレーし終わったホールのスコア (過去)



    ゴルフにおいて、自分でコントロールできることは「現在」のみ。

    「過去」や「未来」を心配してもプレー中は意味がないし、コースコンディションが悪かろうが良かろうが、それは皆同じだし、風や天気も皆同じ条件。

    ティーグランドにたって、自分で決定し実行できるのは、無理なく2打目をどの当りから打てそうか、ボールをどこにティーアップするか、クラブはドライバーにするか、フェアウェーウッドやハイブリッドがよいか、実はアイアンでよいか、どの方向に構えるか、ボールの弾道はドローかフェードか、くらいではないか?

    意外とベストスコアを更新するラウンドって、ラウンドの途中まで、もしくはラウンドが終わるまで合計スコアを数えもしなかったことって多いかもしれない。

    ベストスコアでないにしても、そこそこよいスコアになるときは、合計スコアや前後のホールのことは頭になく、とにかく「今目の前にあるボールをどう打つか」だけを考えていることが多いかと。そういうときのほうが、ナイスショットができることが多いと思う。


    長期的には、半年後に85前後でプレーしたい、来年の夏までには100を切りたい、パーオン率 (GIRs) を33%以上にしたい、といった目標をたてるのは重要だと思う。が、ラウンド中に、スコアやパット数、パーオン率などの数字を気にしすぎるのは逆効果。

    ラウンド中は、最終スコアは気にせず、今自分ができるスィングでボールを打つに徹すると、自然にスコアがまとまってくると思う。

    インパクトでクラブをリリースする (3)

    3日前に発見した「クラブのリリース」、いよいよ実際にボールを打ってみました。

    打つときは、(僕はリリースのタイミングを早くしないといけないので) インパクト前くらいに右前腕が左前腕に当たるように意識しました。加えて、腕だけまわってもフックするだけなので、下半身の回転も同調して大きくまわすように意識。


    練習場

    まずは練習場で、アイアンを打った後の写真。マットから打ったので、人工芝の痕をみると、クラブフェースがどういった向きでボールに当たっているかが推測できます。




    3番アイアンのトゥ側に若干偏った痕がありますが、スクウェアかほんのわずかオープンフェースでインパクトを迎えられています。実際に飛んでいったボールもまっすぐか、ほんのちょっとフェードしていい感じでした。


    以前のクラブのソールにつく痕のパターンとしては、極端なオープンフェースな軌道でした。下の図の右です。リリースを意識して、打つようにすると左のようなパターンになりました。アイアンクラブの飛距離自体は以前と大して差が見えませんが、打つときにあまり力をいれなくても打てるようになる気がします。それゆえに、スィングの芯 (spine angle) がずれにくいかもしれない。クラブの芯付近で当たり易くなった気がします。




    コース

    18ホールをプレーする機会があったのですが、バックティーから打って前半は39ストロークに収められました。ショートゲームにも助けられましたが、リリースをするようになった為かボールがあり得ないくらい飛ぶようになりました。1ホール目は、490ヤードちょっとのPar-5。ドライバーとハイブリッドでグリーン手前まで到達しタップイン•バーディ。「クラブのリリース」をする前は、調子のよいときのドローボールでやっと450ヤードに届くくらいでした。1ホール目の2打はともにフェードボール。他のホールでも、ドライバーはフェードボールばかりでしたが、それでも250~260ヤード飛ぶことが多かったです。


    後半になると、まだまだ慣れないスィングのせいかティショットをことごとく左右に失敗し、基本ボギーオン+2パット (たまにパーと、ダブルボギー) で46ストローク。それでも強風の中15番ホール 424ヤードをドライバーと3番アイアンでグリーンに届きました。



    コース
    San Jose Muni., 6700ヤード (71.9/123)

    前半

    • 39打、14パット
    • 100ヤード圏内の打数: 21
    後半
    • 46打、17パット
    • 100ヤード圏内の打数: 28



    39と46の差は、グリーン周りの差もありますが、、、ティーショットの正否が大きいです。後半は、腕と体の動きがちゃんとシンクロしなかったり、昔のリリースのないスィングに戻ったりすることがあり、定着するにはしばらく時間がかかりそう。だけど、手応えはありました!!


    関連リンク
    インパクトでクラブをリリースする (2)
    インパクトでクラブをリリースする (1)



    インパクトでクラブをリリースする (2)

    前回のクラブのリリースの続きです。

    Tom Watsonのクラブのリリースの方法は、

    "Try to touch your left forearm with your right forearm as you hit through the ball." (ボールを打ち抜くときに右前腕で左前腕に触れるようにする)


    Ernie Elsは、著書の「How to build a classic golf swing」で次のように言っています:

    “Make the toe pass the heel. [T]ty to imagine the toe of the club passing the heel through impact.” (インパクト中に、クラブのトゥが、ヒールを追い越す)





    人によってまちまちですが、少なくとも自分はリリースなんてマジでしていなかったのだとよくわかりました。

    今まで、クラブフェースは、インパクト中に常にスクウェアになるように意識し、運がいいと実際にそう打っていました。しかし、これだとヘッドスピードは出ないし、失敗したら、左手が外向きに折れたりしてすくい上げるような打ち方になるし、そうでなくても右に押し出しやすくなるし、あんましいいことありません。正しくリリースされると、クラブフェースは(バックスィングで)開いたのが、閉じるようです。どうりで自分のスィングの動画をみると、インパクト後の腕やクラブの向きが違和感あったわけです。



    リリースについての動画もいくつか見つけたのですが、わかりやすかったのがGolf Channelのこれ:



    ポイントとしては、(1) リリースした後に左の肘を上に、ダンベルを持ち上げるように曲げられる。(2) グリップがターゲットの方向を向く (ティーを使うといい)



    もうひとつ, Josh Zanderの説明:



    この動画によると、リリースには2つ方法があって、前回から注目してきた腕を回転させてクラブフェースが開いて閉じるもの (rolling release)と、クラブフェースを回転させないでスクウェアのままフォロースルーもの (stable release)とがあるそう。


    強いて言うと自分はいちおうstable releaseの方法でリリースしていたようです。だけども、個人的には先に書いた理由から stable release には限界を感じているので、これからはrolling releaseで練習しようと思います。






    インパクトでクラブをリリースする

    久々にスィングについてです。

    過去にシャンクを直しているときに、よいスィングをするための自分なりのチェックポイントを作ってきました。それは、
    1. 正しいグリップ
    2. 正しいアドレス
    3. ボールを置く位置
    4. バックスィングの始動方向
    5. スィング中に頭を動かさない (Constant Spine Angle)
    でした。これまでスィングがおかしいときは、上の5つのどれかをチェックしながら練習すると、次第に直りました。だが、今回はそれでも直りません。なんでや?


    今のショットのミスとしては、「プッシュ スライス」なので、インサイドアウトの軌道で、インパクトでクラブフェースが開いている。ということは、クラブのリリースのタイミングが遅い。

    シャンクを直していたころ、コーチから「クラブはもっと早いタイミングでリリースしたほうがいい」とよく言われました。クラブ工房の人からは、「クラブのリリースの方法を学んだ方がいい」ともアドバイスされました。「リリース」って何のことかよくわからないまま放置していると、シャンクが直ってしまい、打球もよくなって飛距離も伸びてしまったので、結局リリースについて追求することはありませんでした。。。


    だけど、今回は「リリースがおかしい」と仮定して解決策を追求。


    勧められて買ってみて読んだTom Watsonの本「The Timeless Swing」にヒントがありました。この本はiBook, Kindleでも読めます。電子版ではところどころに動画も埋め込まれており、価格も$19.99でかなりお得。


    「リリース」のセクションに書いてあるのですが、Watsonが言うには、

    "Try to touch your left forearm with your right forearm as you hit through the ball."
    (Tom Watson, "The Timeless Swing (with Embedded Video)" Chapter 3)

    「ボールを打つときに、右前腕が、左前腕に触れるようにする。」

    実際には、前腕が触れることはないかもしれませんが、それくらい速く前腕を回転させるのがWatsonの方法。Ben Hoganはsupination と言ったりして、人によって、流儀によって説明の仕方はバラバラですが、この言葉が一番個人的にしっくりきました。

    上の言葉を意識してボールを打つと、いい感じのインパクトと球筋になってきました。前腕の回転が、下半身の動きと同調しないと、どフックになりますが、これがリリースなのかもしれません。

    今まで自分は間違いなく、左手は外側に折れるようにイメージしてたかも。スィング中に手首を回転させる、というよりは、腕を(下半身に合わせて)回転させるといった感じですね。

    リリース、というのは自然に起こることなのかもしれませんが、僕の場合は自然に起こったことがないので、フルショットではしばらく意識的にリリースをするようにしてみようと思います。



    余談:

    Watsonは現役のころからいろいろ本を出していて、ショートゲームに特化した「Getting Up and Down - How to save strokes from 40 yards and in」とか、コース戦略を開設した「Strategic Golf」とか良書があります。説明のイラストもなかなか味があります。これらの電子版が欲しいですね。



    今年は進歩が期待できそうなラウンド @Stanford GC

    久々にStanford Golf Courseでプレーできました。さらに何ヶ月か振りに90を切れた気がします。いやー、よかったよかった。同伴者にも恵まれ、心配だった天候もよく、ほんとに稀にできる楽しいラウンドでした!!


    From シリコンバレー • シングル育成課



    HOLE1 2 3 4 5 6  7  8 9  OUT
    Par5 4 3 3 4 4 5 3 4  35
    Score5 3 4 4 6 5 5 5 7  44
    +/- Boggy-1-2 0-1 0 0-1+1+2   0
    Putts11 13 1 2 2 12 14
    HOLE101112131415161718IN TOTAL
    Par44443453435 70
    Score55653455442 86
    +/- Boggy00+10-1-1-1+1-1-2 -2
    Putts22211123216 30


    良かった点:
    • 5 GIRs (#2, #4, #7, #16, #18)
    • 2 Scrambles (#14, #15)
    • パー 6個、バーディー 1個 (ボギーをパーとして、8アンダーパー)
    • 100ヤード圏内の打数: 48打 (2.67打/ホール)
    今日はクラブ選択が比較的よくでき、無理なショットは極力せず、着実に前に進めていってボギーでしっかり収めるといったパターンにはめられました。

    5ホールでダブルボギーかトリプルボギーになってしまっているのは多すぎるのですが、それ以上にパーがたくさんとれたので、今の時期としては上々です。


    反省事項:
    • 4 ダブルボギー (#5, #8, #12, #17)
    • 1トリプルボギー (#9)
    5ホールで大たたきでした。が、今回はクラブ選択やプランのミスではなく、純粋にスィングのミスでした。グリーンを狙うショットで、9番, 7番アイアンを使う事が多かったのですが、捕まりが悪くて右に吹き抜ける球が多く、しかも8番ホールではそれがOBになったりしたので、まだまだ練習が必要です。




    From シリコンバレー • シングル育成課



    最後に自分のための(反省) 備忘録


    1番ホール:

    白ティーからプレーということもあり、ティーショットは2番ハイブリッドを選択。ここのところショットがフェード気味なので、フェアウェーの左を狙うとこれがなぜかドロー。これが最後までとてーも、とてーも不安要素になり、9番ホールのトリプルボギーの原因に。

    2打目からは8番アイアンと9番アイアンでグリーンまで届いて5つで上がれてラッキーでした。最近ようやくわかってきたのは、Par-5は、2打目でウッドやハイブリッドで飛ばさなくても、意外とショートアイアン2回、とか、5番アイアン+PW、とかでグリーンを狙う方が成功の確率が高いです。



    5番ホール:

    今回の痛いミスの一つ。ティーショットの3番ウッドがクラブがしっかりリリースされる前に、トゥ側に当り、擦った上にプッシュしてOB。ごく普通に構えてうった3番ウッドだったのですが、どうも構える前から不安の残るショットでした。

    打ち直しは、2番ハイブリッドで打ち、またまた右に押し出してグリーンが直接狙えない状況になりました。そこからSWでフェアウェーに戻し、残り95ヤードをPWの3/4ショットで4フィートにつけてなんとかダブルボギーをセーブできました。

    一つ学習できたのは、このホールは無理してドライバーを使わなくてもいいということ。特に白ティーからだと、ウッドで芯にあたるとフェアウェーは突き抜けてしまうし、曲げると木が邪魔になるしで、残り距離が150ヤード前後くらいになる地点にティーショットを置くようにしたほうが、実はスコアはよくなるのかもしれません。

    「レギュレーション通りに乗せたい」という思いからか、どうしてもドライバーや3番ウッドで残りが120-100ヤードくらいの地点にティーショットを打ちたがります。そういう思いがどうしてもスコアメイクの足枷にもなります。逆に「残り150ヤード残ると絶対グリーン外すなぁ」という先入観もあるわけですが、確率としては後者の方がいいスコアに結びつきやすいかも。そもそもウッドで220-240ヤード飛ばしてフェアウェーの真ん中に置くなんて、狙ってできるのは無理なわけで。。。ティーショットで無謀なリスクをとるよりも、150ヤードのグリーンを外して寄せる方がまだパーのチャンスがあるかもしれません。



    18番ホール:

    今まで数100回このホールをプレーして、初めて2オン、2パットのパーが取れました。さらに2打目の残り距離が115ヤード程度だったので、ティーショットも信じられないくらい飛んで280ヤード。学生時代に270ヤードくらいこのホールで飛んだことがありましたが、今回全く同じドライバーとボールを使ってそれ以上に飛んだのは嬉しいですね。パターの距離も20フィート程度だったので、いい2打目のアプローチが打てました。





    ショートゲームの重要性を分析

    「スコアをまとめるにはショートゲームがカギ」などと言われますが、実際どれだけ重要なのか、どれだけ最終スコアに影響を与えるのかを定量的に分析してみました。

    結果から言うと、同じ1打を縮めるならロングゲームよりも、ショートゲームの方が3倍効果がありそうです。


    分析

    まず過去2年くらいの間に行ったラウンドのデータを20ラウンド分くらい集めました。スコアは70台もあれば、100前半もあり、偏りがないように万遍なく集めています。

    それぞれのラウンドの18ホールのスコアは、

    [18ホールのスコア] = [パターも含めた100ヤード圏内の打数] + [100ヤード超の範囲の打数]
                                       = [ショートゲームの打数] + [ロングゲームの打数]

    というように2つの成分に分割します

    そして、20ラウンドのショートゲームの打数、ロングゲームの打数の平均値を算出し、各ラウンドの打数から平均値を引きます。その平均値を引いた打数が、下の図の横軸になります。(ショートゲームの平均は50くらい、ロングゲームの平均は35くらいでした。)

    18ホールのスコアは、コースの難易度を考慮するために、コースのスロープレートと、コースレートを使って補正し*1、20ラウンドの平均値を差し引いて標準化しています。これはハンディキャップを計算するときに使う式なので、「Handicap Differential」と呼ぶことにします。下の結果では、グラフの縦軸に使用します。


    結果

    それが下の図です。左は、ショートゲームの打数 (パターも含めたピンから100ヤード圏内で打った打数)と最終スコア (Handicap Differential) の関係を、右はロングゲームの打数と最終スコアの関係を示します。

    ぱっと見て、ショートゲームと最終スコアの相関関係が、ロングゲームよりも高いです。それぞれのグラフの傾きから比べて、同じ1打を縮めるなら、ショートゲームの方がロングゲームより3倍近く効果があると言えます。(傾きの比は2.75倍)

    ショートゲームの方は、直線の周辺にわりとまとまって分布していますが、ロングゲームは縦にばらつきが大きく、いくらまっすぐ遠くに飛ばせても最終スコアをまとめるには至っていなかったラウンドが幾つもあります。

    逆に、長い範囲でたくさん叩いても、最終スコアはけっこういいラウンドもあります。ショートゲームについてはあまりそういう例外はなく、ショートゲームの打数が多ければ、最終スコアは悪く、逆に少なければ少ない程スコアがまとまります。


    ドライバーやフェアウェーウッドのティーショットがトラブルにならないくらいに20-30ヤード曲がっても飛ぶようであれば、ウェッジ、ショートアイアン、パターの出来不出来だけで18ホールで18打増減するポテンシャルがあるかも。


    過去の統計から、18ホールでのショートゲームは45打を切る (1ホールあたり2.5打) が、80を切る目安になります。あと、けっこう面白いことに100ヤード圏内の打数とそのホールのスコアは、

    • 1打: バーディ
    • 2打: パー
    • 3打: ボギー
    • 4打: ダブルボギー以上
    となる傾向があります。100ヤード圏内を3打でなく、2打にするのがそうとう壁が厚い。。。継続して練習しないと、ロングゲームはまあまあでも100ヤード圏内で途端に3, 4打ばかり打つようになり、スコアがまとまりにくくなります。






    *1: [補正値] =  ( [スコア] - [コースレート]) x 113/[スロープレート] )

    2012 Mastersのオンライン中継

    毎年恒例のMastersの中継が今年もオンラインでみられます。最近はメジャー大会だけでなく、普通の試合もウェブサイトやiOS/Androidアプリなどでみられますね。MastersのiOSアプリも結構レベル高いです (特にiPadでみると最高)。

    オンラインでは、アーメンコーナー (11, 12, 13番ホール), 15&16番ホール, 注目グループ、練習場の風景などの中継が見えます。さらにライブだけでなく、ちょっと時間をさかのぼってみるのも可能。CMも入らないのもいいですね。


    リンクはこちらです:
    http://www.masters.com/


    プロはPebble Beachでどうスコアメイクするのか?

    AT&T Pebble Beachの第3ラウンドでは、Tiger WoodsはPebble Beachでプレーし、6バーディー、1ボギーの67をマークしました。最終日はさらなる猛追が期待されてましたが、パターが惜しかったですね。2日目のラウンドもパターがなかなか言う事をきいていないようでした。



    さて、たまたまプレスインタビュー記事を読んでいて、第3ラウンドでTigerが各ホール、各ショットでどんな距離を打ったのかが克明に紹介されていました。ほぼそのまんまの数字ですが、各ホールの (1)第1パットの距離、(2) スコア、(3) 100ヤード圏内の打数、(4) 実際のアプローチの距離 (例えば、Par-4の2打目の距離など)、(5) アプローチの残り距離、(6) ティーショットの飛距離、(7) アマチュアだったらこれくらい打てたらいいかなという希望距離 が次の表です。


    ホール第1パットの距離(フィート)スコア100ヤード圏内の打数実際のアプローチの距離(ヤード)アプローチの残り距離(ヤード)ティショットの距離(ヤード)アマチュアの希望距離(ヤード)
    16Par2155168205165
    21Birdie2242261249209
    33Par2135147239199
    46Par2100118225185
    519.6Par2191198--
    618.0Par3238255272232
    733.4Par2104114--
    815.7Par2218215209169
    951.6Par2160171320280
    1035Par2123133313273
    1124.7Par2118113256216
    1210.9Boggey3160?194--
    133Birdie1126127276236
    143Birdie1107108262222
    1524Birdie1122130265225
    1623.3Par2153157249209
    1723Birdie1155161--
    185Birdie1130133232192

    主な数字をまとめると:

    • GIRs: 14 / 18ホール (77%)
    • 27パット
    • 100ヤード圏内の打数: 33打 (1ホールにつき 1.83打)
    • 100ヤード超の打数: 67 - 33 = 34打
    • 平均のPar-4のアプローチの残り距離: 152ヤード

    この数字から注目したいのは、
    1. 100ヤード圏内の打数が33打。80を切るレベルの目安が45打で、さらにそれよりも(難しいコースで) 10打以上少ないのがプロのレベル。逆に、100ヤード超の範囲内でうつ打数は、特にペナルティーなどがなければアマチュアでも35~40打くらいに収まる傾向があります。プロとアマチュアを分け隔てるのは、明らかに100ヤード圏内のゲームですね。プロの場合は、アプローチがさらにピンに寄りやすく、尚かつパターが巧みなためさらに1パットのチャンスが多いです。
    2. Pebble Beachは全体に距離が短めで、ティショットでドライバーを使う機会が少ないので、ティーショットの飛距離が普段のタイガーにしては短いです。これはアイアンを使ったり、フェアウェーウッドを使うせいでしょう。アマチュアがプレーするティーだとだいたい6000ヤードちょっとになるはずなのですが、そうすると1ホールあたり40ヤード短くなります。すると、アマチュアが打つべき各ホールのティーショットは上の表の最も右の数字程度の飛距離でよさそう。

      あくまでも数字だけの計算で、風やライは全く考慮していませんが、9番、10番ホール以外だと、なんとかなりそうな数字。というか、毎ホール無理して「飛ばそう」とする必要は全くない。実際、9番と10番ホールを除くと、各ホールのティーショットの平均は204.9ヤードです。スライス気味のドライバーショットでも十分打てそうな距離ですよね。
    3. タイガーのPar-4ホールでの平均アプローチの距離は152ヤード。平坦なライだとPW, 9番, 8番アイアンを使うと思うのですが、それでも意外と距離にばらつきがあります。思ったよりも、ショートしたりしてミスが多い。例えば、1番ホール、残り168ヤードで、実際に飛んだのは155ヤードでショートしてバンカーに入れてます。が、そこからきっちりサンドセーブ。

      4番ホールでは、残り118ヤードが100ヤードしか飛ばずにバンカー。20%近いエラーです。100ヤードちょっとだと、世界のトッププロは5ヤード範囲内に必ず寄せられそうなイメージがなきにしもあらずですが、意外な数字です。それでもきっちりサンドセーブして、パーをとりました。

      Back-9ではバーディを量産しましたが、それでもベタピンばかりだったかというとそうでもないようです。けっこうアマチュアがよくやるようなショートとかやらかしていましたし、グリーン上では巧みにラインとスピードを読んでパットを決めています。

      アマチュアなら2, 3打を要するような場合でも、彼らはきっちり1, 2打でホールアウトできます。ティーショットの飛距離差は別としても、グリーン周りのスキルレベルの差が70, 80, 90台のスコアの分かれ目と言えそうです。


    18ホールのストロークを全て追跡してみましたが、やはりスコアをよくするにはショートゲーム、究極的には1ホール2.0打にするのが近道。90前後のスコアになるボギープレーでは大体1ホール3.0打になる傾向があります。この1打をカットするのが、今後の最大の課題といえそうです。